『喜怒哀楽』
君は僕を感知することが
宿命なのかもしれない
そうすることで
自身の存在意義を
確認しているのだろう
大田区の
平和島の
京浜トラックターミナルの
管理棟に設置されている
人感知センサーは
あたかも
僕が来るのを
待っていたかのように
温かく
反応し
微笑みを
絶やすことがない
人間という動物を
よく熟知した
考える灯だ
唯一の欠点は
突然の節電
ずうっとして
しゃがみこんでいると
その突然がやってくる
しかしだ
君の
機転の良さには
いつも敬服する
僕の
存在のほうが
節電よりも大切だ
という認識が
人の存在のほうが
何よりも優先
という認識が
僕には
とっても
うれしいんだ
————————————————————————
【あとがき】
高校時代、絵描きの道を歩んでいた
図書委員だった僕は、全学年1位の
本の貸出本数を誇っていた
まあ、画集とか、美術関係の本を
毎日のように鑑賞していただけなんだけどね
インスピレーションをただただ
欲していてね
絵の肥やしを図書室で養った
そんなある日
特にイメージが滾々と溢れている
1冊の本があってね
それが現代詩についての本だった…
Edge Special田村隆一篇 死よ、おごる勿れ
Edgeより
【朗読】「帰途」(田村隆一)~言葉なんかおぼえるんじゃなかった
空の瑕ー言の葉を詠み唄うより