赤い高速の雷雲とともに
夏はその気配をちらつかせる
つま先に触れた砂粒の一粒のように
僅かに感じる昨日とは違う感触
寒色の風がよく似合う昼下り
気化熱に奪われた花の揺れる先には
陽炎がゆらゆらと既視感を覚えて
僕らを夕凪へといざなう
うねる雲流に湿った土の匂い
落ちない花がゆらゆらと揺れている
感電した街は感覚を取り戻すまで幾星霜
気まぐれに奪われた喜びのかけらは
何度だって唇から生まれるから
微笑みながら落ちていく太陽に
再開の言葉を告げよう
また会いましょう
何度だって言うよ
また次の瞬間を迎える
ベルベットの斜陽を君に
そして僕らに永遠の約束を