どこまでもどこまでもまっすぐと続く道を
ゆるむこと無くあせること無く
同じスピードで進む
車輪がかろやかに回っている
景色はほほを滑り抜け瞬く間にとけていく
もう行くのかい ああ、もう行くんだよ
冷たかった指先はますます冷たく
それでいて体の真ん中のほうはほんのりと熱をもっていく
ふわり と体の一番外側の感覚がまるで羽毛のように剥がれる
またいちまい いちまいと
長くなびく髪に添う様に
長く長くその残像は共に流れていく
だんだんと体も少しずつ剥がれていき
やがて真ん中の熱だけを乗せて
車輪は変わらずかろやかに回っている
見えるとも見えないその流れ
私は風になった
どこまでもどこまでも続くまっすぐな道を吹き抜ける
風になった