遅い朝を迎えてキッチンに立つ
小さな炊飯器にキラキラしたお米を丁寧に洗ってセットする。
沸かしたてのお湯の湯気が部屋に満ちてレッドジンガーティーの匂いが漂う。
一晩身体を守ってくれたベッドやシーツを手のひらでゆっくり伸ばして整える。
もうだいぶ長らく放っておいてしまった自転車を部屋に上げて、ひとつひとつパーツを磨く。錆びたチェーンを磨いて、オイルをさす。
音を放って目を閉じてその手触りと流れをじっくりと観察する。
込み上げる想いや記憶を脳裏にそっと寄せて聴くことへ意識を向け、ひとつひとつを愛でるように手をかける。
時に苛立ち時に解放され、少しづつ変わってゆく。
あなたに届きますように。
日常を愛でることが総てにつながってゆきますように。