久々に乗る電車はさほど悪くも無く、止まる駅ごとにドアから吹き込む秋の風が案外心地良い。
うたた寝しそうな揺れを感じ乍ら一人も悪く無いと思う十月の半ば。
生まれくる音から離れて居ることがあれだけ不安だったのに、半年も経てばまた其れも日常となり、私は只只受けとる事に慣れ親しんでいる。
考えず、或るままに、与えられるままに生きる事はきっとすごく楽だ。
情報はこの手で抱え切れないほど溢れて私達は待って居るだけで其れらを幾らでも受け取る事ができる。
でも孤独だ。きっとすごく孤独だ。
一人で様々な事に想いを馳せていると不思議と孤独は彼方へと去って行く。
想いを巡らせ、じっと対話して、心と体を開いて押し寄せる情報の波の音を静かに聴くこと、
受動的な様でとてもとても能動的なこと、
流されず、呑まれず、受け止めず、感じて考えること、
一人になるのは良い事ね。