東京と再会にあたり | all is full of beautiful love

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beautiful days, beautiful life

緑の電車に揺られ、また東京に戻るにつれ少しづつ心が変化していく。

生まれ育った土地は無条件で私を迎え入れ私もまた同じく無条件で心を許す。
駅前の花屋が無くなっても、畑だった場所に住宅が出来ても、隣のお婆ちゃんの家が無くなっても、何が変わっても何も変わらない。

其処に居た時はあれほど変わってしまう事が嫌だったのに、離れてみたら変わろうと変わるまいと同じ事だと気付く。
結局は変わらないのだ。

間もなくレールに乗って東京がやってくる。
今日ほど東京が嫌いな日は無いと思う。

ビルに囲まれた低い天井にアスファルトの隙間から必死に伸びる雑草、ひたすら一点を見つめ、或はその視線を彷徨わせて行き交う人、ひと、ひと。
パーソナルスペースはますます不確定で、彼等は決して誰とも目を合わせようとしない。
人は街の色を創り、街の色はまた人を変えていく。

それでも東京に戻る。
どんな時にでも忘れずにいる日の出とともに迎える喜びの朝。
新しい風はビルを抜けてきっと届くはず。
自分自身にこの上無い嫌悪感を感じながら踏み出す一歩と期待と希望に心が揺さぶられる瞬間。
こんにちは、また会いましたね、東京。