さて、また久々の更新になってしまったのだが、特にこれといって書くことがあるわけではない(笑)

でも、心の中にもやもやとたまっていることが少しはあるのでそれがうまく出てくれば見苦しくならない範囲で更新したい。

 

 

 私生活では幸いにもそれほど変わったことは起きてないので、やはり、政治の話になるかな。

政治となると例のあの人、トランプだ。
 この人が登場してからカナダのカーニー首相は、世界の秩序は変わった、と述べたが、本当にその通りだなと時間がたてばたつほど感じている。

 

 

 もう我々はトランプ登場以前の世界には住んでいない。

 西側、東側という概念すらもう今の現実とはかなり乖離し始めている。
アメリカが「西側」のトップにあり、その下に西ヨーロッパ(今ではロシアやベラルーシを除くほとんどのヨーロッパが入っている)の国々が同盟を組んでいて、アジアでは日本と韓国、台湾あたりがいわゆるこのヒエラルキーに組み込まれている。
 

 それに対してつい10年ぐらい前まではロシアが「東側」のトップにあり、その下に一部の東ヨーロッパの国々、そして、ほぼ同盟国といってもいい中国と北朝鮮などが組み込まれているヒエラルキーがあった。そして最近ではロシアはその盟主としての地位、権威を失い、実質的には中国が「東側」の頂点に立ちつつある。

 

 

 ところが、トランプというたった一人の人物がアメリカの大統領になった途端、この第二次大戦後からずっと続いてきた力関係が本質的に変わってきた。ウクライナ戦争ではトランプはロシアに同情的であり、世界の面前でウクライナの大統領ゼレンスキーを罵倒して世界を驚かせた。

 ウクライナに対する軍事援助もそれまでの政権とは比べ物にならないほど消極的だ。

 

 加えて、このアメリカ第一主義で猜疑心の強い大統領は、NATOという軍事同盟そのものをさえ疑問視し脱退をちらつかせている。またヨーロッパや特にカナダに対して強硬な関税をかけて敵対的な姿勢をみせ、同盟関係に大きな亀裂が生まれている。

 特にカナダに対するそれは強硬で、僕の眼から見れば砲弾を使わない戦争といってもいい。

 

 

 その理由はカナダの豊富なレアアースや油田などの資源が欲しいからであろう。
トランプという人は現代版の少しソフトになったヒトラーといっても全然言い過ぎではない。それは彼を強く支持して初期のころは政権にも関与したイーロン・マスクがドイツに行ってナチ式の敬礼をしたり(これはドイツでは法律で禁止されている)、副大統領のバンスがやはりドイツを訪れた際に、ネオナチといわれるナチス的な考え方を継承する団体の集まりに出たことなどを見ても、決して的外れではない。

 

 

 そして、アジアでもその質的な変貌は読み取れる。
トランプは就任以来、日米同盟に関してアメリカだけが日本を守らなければならないというのはおかしいと発言した。これに関してはそれほど大きなことではないかもしれない。しかし、過去の米大統領でここまではっきりとこのことを指摘したのは彼だけだ。これなども、トランプの自国以外の国の防衛に対する消極性を感じる。あくまで自国第一主義で自国の利害しか興味がないという彼独特の考えが底流にある。

 


 そして、彼が中国を訪問した際、これからはG7とかG10などよりもアメリカと中国のG2の時代だ、というようなことを発言した。これはトランプという人が、これまでの「西側」の国々を結び付けてきた民主主義や自由、普遍的な倫理観などにはあまり関心はなく、あくまで「力」が最も優先するというかれの主義信条が背景にありそこから生まれた言葉であることは間違いない。

 

 

 また、北朝鮮を刺激したくないという理由で、米韓の軍事演習を縮小したのはまだ記憶に新しい。この「北朝鮮を刺激したくない」という理由付けが彼独特で、それは北朝鮮の同盟関係にある中国を刺激したくないというのが背後にあると考えるのが自然だろう。
 

 そして、これは僕個人の昔から持っている考えなのだが、人間は自分と気質の似ているものに引き付けられる傾向がある。トランプがプーチンやキム・ジョンウンなどに同情的なのも源流をたどればそこに行きつくと思っている。

 

 

 つまり、もう僕らはトランプ登場以前の地政学的情勢の中にはいない、ということである。

言い換えれば、今は、日本にとってアメリカが本当に同盟国なのかどうか不透明な世界情勢の中にいるということだ。
 日本の指導部もそれを感じ取っているからこそオーストラリアとの結びつきを強めているのだろうし、オーストラリアやフィリピンもそれを感じ取っているからこそ日本との結びつきを強めているのだろう。

 

 

 もちろん日米安保条約があるので「形の上では」今でも同盟関係にある。だが、条約はあくまで条約である、そしてそれを順守するかどうかとは少し次元が違う。とくに上述したように彼の中国や北朝鮮に対する親和性を考えると、仮に日本が攻め込まれてもどこまで積極的に守ってくれるかどうかは以前よりもかなり不透明になっている。

 

 

 幸いにも日本にはカナダやグリーンランドのようなトランプの欲しそうな資源はないので、日本がカナダのような迫害、脅迫を受けることはないだろう。だが、いままでのようにアメリカという大船の陰にくっついている安全な子船(日本)という状況ではもうないという理解はたぶん間違ってはいない。

 

 

 いままではこの安心感があるので、日本政府は中国や北朝鮮、そして韓国などに対してある意味強硬な態度を見せてきた。

しかし、これからはそういう強硬姿勢をとるのであれば相当の覚悟を持ってやらなければならない。

 いじめっ子から守ってくれるつよいガキ大将がいままでの性格ではなくなったからだ。その状況によってはいじめっ子側につくということも十分にあり得る状況になった。

 

 

 だから日本の保守層はこれからのアジア外交(特に中国との関係)を、非常に慎重かつ繊細に扱わなければいけなくなるだろう。中国に強いことを言えば日本の保守層や、多数の国民の支持を得られるから強硬姿勢を貫くということはできなくなる。
 

 

 カナダがEUの準加盟となってヨーロッパと強く結びつき、また、EUやカナダはインドとの経済的な結びつきを強めている。そしてこの両勢力は中国とも比較的強い経済関係を結び始めている。着々と経済的なアメリカ包囲網ができ始めている。アメリカは関税という堀を巡らせて自国を強くしたいつもりらしいが、現実には皮肉にも人体に例えれば血管を自分で壊死させて、自国に流れ込む富をせき止めて弱体化していくことだろう。

 

 

 カナダのクレティエン元首相が言ったように「今目の前で展開しているのはアメリカ帝国の崩壊の始まりだ」ということがunfold、展開し始めている。
 トランプの任期はあと2年半だからそれまで我慢すればいいと思っている人も多いと思うが、彼が大統領職から降りるという保証はない。前回の任期が終わるとき彼が何をしたかと思い出してみたらそれは決して根拠のない空想ではないということは普通なら感じ取れるはずである。

 

 

 これからの日本のかじ取りは、だから、本当に難しくなる。
単純ないわゆるネトウヨ的な考えでかじ取りをしたら、簡単に沈没するだろう。関税をかけられたら裏で金を払って解決しようなんていうこともいつかは限界が来る。

 

 とくに、今カナダが進めている貿易の多角化は進めていかなければならないだろう、これからトランプがどんな無理難題を日本に押し付けて日本製品、商品を排除するようなことをされてもいいようにだ。

 その状況の中で、今までのような単純な中国強硬政策はとれなくなる時が来る。

 

 以上のような理由から、日本は本当の意味で「自立・独立」をする時が来ていると僕は思っている。 
これからの政治家は肩にかかってくる責任がいままでの政治家とは比べ物にならないほど大きくなる。

日本の政治家にそれだけの慧眼と胆力のある人がいるのか......