行政書士試験 記述式 完全対策ブログ たけのこ太郎

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合計228点(記述式40点)でした
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Q 正誤問題

被保佐人Aが、その保佐人Bの同意を得ずにCにAの所有する不動産を売却した場合に、AおよびBは、AC間の売買契約を取り消す事が出来る。

2004(H16)-25-2



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・成年被後見人(代理権あり、同意権なし)

うっかり度がとても高い
「サポーターの同意を得て本人が何かをする」なんてまともに出来ないと考えられている。
よって、制限行為能力者の中で唯一、サポーター(成年後見人)に同意権が与えられていない。
むしろ、頼りない本人に「代わって」サポーターがきりもりする必要があるため、サポーターに代理権が「当然に」ある。

・被保佐人(
代理権なし、同意権あり
うっかり度は中程度
「サポーターの同意を得て本人が何かする」程度の事は可能だと考えられている。
そして、うっかり度が高くないので、同意無くば単独でなしえないとされるのは財産の増減に関する行為に限られている(13条)。
財産の増減に関する行為とは例えば不動産売買などである(13条1項3号)
被保佐人は、サポーターの同意を得て不動産売買をする事ができるし、一方で同意が無い場合は不動産売買を取り消す事も可能である。
なお、うっかり度が高くないので本人に「代わって」サポーターが切り盛りする必要は無いと考えられている。
よって、代理権は原則として無い(例外あり)。


・被補助人(代理権無し、同意権あり)

うっかり度が低い。
ほぼ普通の人。
よって、原則として単独で何でも出来る。
ただ、家庭裁判所が審判で定めた特定の財産行為のみについてサポーター(補助人)に同意権がある。
被補助人は、単独で不動産売買ができます。
もっとも、家庭裁判所が「不動産売買については補助人の同意を得るように」と審判をした場合はサポーターの同意を得て不動産売買をする事になります。
この場合において同意無くして不動産売買をした場合は取り消す事も可能です。
本人がしっかりしているので代理権は原則として無い(例外あり)。


・未成年
うっかり度は特殊
上の三つとは少し事情が違う。
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Q 正誤問題

AとBが建物を共同で所有し、Aがその建物の敷地を単独で所有している場合において、Aがその土地上に抵当権を設定したが、抵当権の被担保債権について弁済できなかったので、その抵当権が実行され、その土地は買受人Cが取得した。この場合、この建物のために法定地上権は成立しない。

2011(H23)-30-5




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A 妥当でない

本問の場合、法定地上権は成立します。

よって、本問は不正解です。

事案を把握した後、要件にあてはめます。


1 事案の把握

① AとBが建物を共有

② Aが単独で土地を所有(土地はA所有)

③ Aが土地のみに抵当権を設定

④ 土地についての抵当権が実行され、土地のみ買受人Cが取得(建物はABの共有、土地はC所有)


2 あてはめ

要件1 「土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合」

要件2 「土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至った」


(1) 土地についての抵当権について

事実①から③をみるに、土地に抵当権が設定された当時、土地建物共にA所有です(建物は半分B所有なので違和感があると思いますが、)。

そして、事実④で抵当権が実行され、建物と土地が各々別人所有となりました(建物はAB共有、土地はC所有)。

よって、法定地上権の要件を満たします。


(2) 結論の妥当性について

結論が妥当かどうか、検討してみます。

いつものように、抵当権者と落札者の立場になって考えますが、今回は抵当権に無関係な建物の共有者であるBの立場も考えてみます。


ア 抵当権者の立場

抵当権者(X銀行とします)は土地に抵当権を設定する際、法定地上権の成立を予測しています。

よって、X銀行は、法定地上権の負担がある土地の担保価格を限度として、Aへの融資額を決定します。

そして、予測通り法定地上権が成立するわけですから問題ありません。


イ 落札者の立場

落札者Cも、登記記録を見て、建物について法定地上権が成立すると予測します。

よって、土地は安値で落札されます。


ウ 抵当権に無関係な建物の共有者の立場

本問では、Aが融資を受けたいがためにA所有の土地に抵当権が設定されました。

そして、その返済が焦げ付いたがために、A所有の土地が競売されてC所有となりました。

このようなAの経済活動のために、たまたま建物の共有者であったBが不当な扱いを受けなければならない理由はありません。

そこで、Bの立場から結論が妥当かを検討してみます。

建物共有者であるBは、もともと土地の所有者であるAに対して何らかの土地利用権(例えば賃借権)をもっていたはずです。

そして、Bの力の及ばぬ所で土地が競売にかけられ、Cが楽札し法定地上権が成立しました。

つまり、Bは特に何もせずに法定地上権を手に入れたのです。

Bは不当な扱いを受けたわけではありません。


エ 結論

以上より、利害関係人に、その予測に反して不当な扱いを受けた者はいません。

当事者意思に合致した結果と言えます。

よって、法定地上権が成立するという結論は妥当です。


オ 応用(参考)

過去問では問われていませんが、本問の応用パターンがあります。

建物がA単独所有で、土地がAB共有の場合において、土地のA持分に抵当権が設定された場合です。

確かに、388条の要件は表面上満たします。

しかし、土地の共有者Bからすると、自身のあずかり知らないAの経済活動のために法定地上権が成立してしまうのは辛い所です。

これはBにとって、ふいうちです。

よって、この場合には法定地上権は成立しません(判例)。

なお、建物がA単独所有で、土地がAB共有の場合において、建物のみに抵当権
が設定された場合も同じ結論になります(この事例の判例は無いようです)。



まとめ
_________________________


建物の共有者の一人が土地を単独所有しており、土地のみに抵当権が設定され、競売にかけられた場合

388条要件を満たすため法定地上権成立

_________________________


ではまた!
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Q 正誤問題

Aが自己所有の土地と建物に共同抵当権を設定した後、建物が滅失したため、新たに建物を再築した場合において、Aが抵当権の被担保債権について弁済する事ができなかったので、土地についての抵当権が実行され,その土地は買受人Bが取得した。この場合、再築の時点での土地の抵当権が再築建物についての土地の抵当権と同順位の共同抵当権の設定を受けたなどの特段の事由のない限り、再築建物のために法定地上権は成立しない。

2011(H23)-30-4




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A 妥当である

本問の場合、法定地上権は成立しせん。

よって、本問は正解です。

2011(H23)-30-4の正解肢ですから重要な肢です。

事案を把握した後、要件にあてはめます。


1 事案の把握

① Aが自身の土地及び建物に抵当権を設定(土地建物はA所有)

② 建物が滅失(建物についての抵当権も消滅)

③ 新たに建物を建築(建物についての抵当権は無い)

④ 土地についての抵当権が実行され、土地のみ買受人Bが取得(建物はA所有、土地はB所有)


2 あてはめ

要件1 「土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合」

要件2 「土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至った」

本問には抵当権が複数あるため、各抵当権ごとに要件をあてはめていきます。


(1) 建物についての抵当権について

事実①をみるに、建物抵当権が設定された当時、土地建物共にA所有です。

しかし、事実②で建物が滅失したため、抵当権も消滅してしまっています。

よって、建物抵当権を基準に考えると、要件を満たしません。


(2) 土地についての抵当権について

事実①④をみるに、要件1及び2を満たします。

よって、要件を満たすため法定地上権は成立するとも思えますが、本事例においては法定地上権は成立しません

理由は以下に述べます。


(3) 結論の妥当性について

結論が妥当かどうか、検討してみます。

抵当権者と落札者の立場になって考えます。

ア 抵当権者の立場

抵当権者(X銀行とします)は土地建物両方に抵当権を設定したので、担保価値をセットで見ます。

つまり、土地建物が各々別人により競落された場合、建物は法定地上権が成立するため高値である一方、土地は法定地上権が成立する分安値です。

X銀行は、高値の建物と安値の土地を足したものが土地建物の担保価値であると予測するのです。

また、X銀行は、仮に建物が(火災などで)滅失したとしても(高値で落札されるであろう)更地が残るため担保価値は充分であるとも考えます(予想に反して建物を新築されてしまいましたが・・・)。

以上より、X銀行は、土地建物セット(又は更地)の担保価格を限度として、Aへの融資額を決定します。

イ 落札者の立場

落札者Bは、登記記録を見て新築建物について法定地上権が成立すると予測します。

よって、土地は安値で落札されます。

ウ その後

後は、法定地上権が成立する新築建物が高値で競落されればよいのですが、本問では旧建物(と旧建物に設定された抵当権)が滅失している上に新築建物が無担保であるため、競売は成立しません。

以上より、X銀行は
土地建物トータルの価額又は更地の価額を見込んで融資をしたにもかかわらず、建物については競売されず、土地については法定地上権の負担のある価額でしか落札されなかった事になります。

X銀行は大損です。

そもそも、法定地上権が規定された趣旨の一つが「当事者意思の尊重」です。

しかるに、この結論では当事者意思(本問の場合はX銀行の意思)が尊重されません。

そこで、最高裁本問事例においては、特段の事情のない限り法定地上権は成立しないとします。

条文上の要件は満たしているのですが、エイヤっと結論を覆してしまいます。

法定地上権が成立しない場合、土地は高値で落札されます。

よって、X銀行の意思に合致した結果となります。

なお、問題文後段の「
再築の時点での土地の抵当権が再築建物についての土地の抵当権と同順位の共同抵当権の設定を受けた」は上の最高裁の「特段の事情」の一例ですが日本語として凄くわかりにくいです(「土地の抵当権」が「共同抵当権の設定を受けた」事になってしまいおかしい・・・)。

原典である判例の言い回しを引っ張ってきますと「新建物が建築された時点での土地の抵当権者が新建物について土地の抵当権と同順位の共同抵当権の設定を受けた」となります。

つまり、「建物(とその抵当権)が消えた分、フォローするための新たな抵当権を新建物に設定した場合」ということです。

この場合は、抵当権者が損する事は無いので、法定地上権が成立するとしても問題ありません(当事者意思を尊重できます)。




まとめ
_________________________


土地建物を所有している者が土地建物双方に抵当権を設定した後、建物が滅失し、さらに建物が新築された場合

確かに、388条要件を満たすため法定地上権成立とも

しかし、抵当権者は土地建物トータル又は更地の土地の価値を予測して融資

法定地上権が成立すると抵当権者の意思に反する(当事者意思の尊重

法定地上権不成立(判例)

_________________________


ではまた!