対面式の販売には、広く知られたちょっとした法則がある。
「AIDAの法則」
つまり、
- Attention(認知)
- Interest(関心)
- Desire(欲求)
- Action(行動)
の段階を踏んで販売しろと言うこと。
と言うわけで、手紙を認知してもらったら、次は相手の関心を引く番だ。
「うっとしい」から「ありがたい」へ
ある暑い午後の事。
私は一人で家に居て、台所のカウンターに座り、たっぷりのアイスティーを片手に、市外のクライアントと電話をしていた。
玄関のベルが鳴った。
無視していたが、しつこく鳴り続ける。
それでも無視していた。
すると、その鬱陶しい招かれざる客は、ドアをドンドンと叩き始めた。
「まったく」と心の中で呟き、それでもまた電話を続けようと頑張った。
突然、私の後ろのガラスドアを誰かがバンバン叩く音がする。
こうなって来ると意地の張り合いで、絶対に振り返ってやるもんかと思った。
すると相手は、また玄関に戻りドアを叩いている。
とうとう私は電話を中断し、コイツを追い払おうと玄関へ向かった。
車で通りかかったと言うその男性は、うちの庭の塀沿いの植込みが燃えている事を、何とかして知らせようとしてくれていたのである。
たちまちにして相手は、「鬱陶しい存在」から「ありがたい存在」へ格上げされた。
男性が私の味方である事は疑いようもない。
「早くホースを。私が消防署に電話しますから!」
こうして、植込みの火が移って家が全焼する事を二人で阻止出来たのである。
理由は、男性が私に伝えようとした事が、急を要するとても重要なことで、しかも、私のためになる事だとひと目で分かったからである。
勘違いしている人がいるといけないので念の為に言っておくが、セールスレターが来ないかなあ、なんて思ったり祈ったりして、じっと待っているような人間はこの世に居ない。
届くと大抵の人は嫌がる。
喜んで受取ってもらうには、重要で知る価値があって、ためになると思ってもらえる事を、受取人に直ぐ伝えればいい。
「小手先の仕掛け」(ギミック)は失敗しがちだが、受取人にとって本当に重要で関心のある事を言えば、大抵はうまく行く。
それを「見出し」(ヘッドライン)で伝えるのである。
挨拶文の前か、前置きと本文の間に入れる。
そこだけ大きく太文字にする。
あるいは、「囲み見出し」(ジョンソン・ボックス)にしても良い。
何をどうヘッドラインで言うかが一番肝心なポイントである。
これは、訪問販売のセールスマンに準えてみると良いかもしれない。
玄関のドアに足をねじ込み、わずかな時間で相手の警戒心わ和らげ、関心を持ってもらい、厄介者扱いから話を聞いて良かったと思われるような内容を手短に言う。
手紙の場合でも、時間とチャンスはこれとほぼ同じと考えよう。
「究極のセールスレター」より
著者 : ダン・S・ケネディ
発行所 : 東洋経済新報社