夏に向けて猛威をふるう水虫。この10年ほど、足に寄生する水虫とは異なる「新型水虫菌」が、格闘技選手やその家族に広がっている。顔や首に湿しんが出るといった症状が多いが、頭に寄生すると毛が抜けてしまうこともある。症状がない人もいて、感染を食い止めるのが難しい、という。

 新型水虫菌(トリコフィトン・トンズランス菌)はアメリカやヨーロッパで確認され、日本では2001年に柔道部員など格闘技選手の間で集団感染が報告された。接触感染することから、海外選手との試合で感染したと見られている。

■新型は髪の毛や体毛を好み、毛の中に入り込む

 一般的な水虫は足に寄生することが多い。一方、新型は頭や顔、体で確認されている。症状は頭と体で異なる。頭の場合はフケやかさぶたができ、脱毛することもある。体にはリング状の赤い発疹ができ、虫さされやかぶれに似ているという。

 日本皮膚科学会皮膚科専門医の清佳浩教授(帝京大学医学部附属溝口病院)によると、国内感染者は推定2000人に達する。格闘技の選手が多く、98%が柔道、レスリング、相撲。ラグビーの選手も確認されている。接触感染のほかに、タオルなどを共有して伝染する可能性があり、家族にも感染が広がっている。

 新型は感染力が強く、治りにくいのが特徴だ。清教授は、

  「一般的な水虫菌よりも短時間で感染します。また、新型は髪の毛や体毛を好み、毛の中に入り込みます。塗り薬では治りにくく、飲み薬が必要です」

と注意を呼びかけている。

 清教授によると感染しても症状がまったくなかったり、頭の中に寄生して気がつかないこともあり、感染拡大を防ぐのが難しいようだ。

■ミズノは増殖抑制効果ある柔道畳を発売

 2012年から中学校で武道(柔道、剣道、相撲から1つを選択)が必修になる。それもあって、こんな商品も登場した。

 スポーツ用品メーカーのミズノは出光テクノファインと共同で、新型水虫菌の増殖抑制効果がある柔道畳を開発し、2010年3月に発売した。

 抗菌剤を開発した出光テクノファインによると、新型水虫菌を含む372菌種の細菌や真菌(かび)、藻の増殖抑制効果が確認できた。肌着や靴、スーツの裏地などに使用しているが、柔道用品の使用は「初めて」だ。ミズノ広報担当者は「学校からの問い合わせが結構きている」と明かし、反響は大きいようだ。


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