~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~ -27ページ目

~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


私たちがアマゾンや楽天でモノを購入したり、
食事会の食事会場を予約する時に、
参考にするのが「口コミ」です。


なかには友人のコメントよりも
一般的な「口コミ」を信じる人もいる。

「口コミ信者」とも言えます。


ではその口コミはどのくらい信憑性が
高いのでしょうか?


私の経験上でも、
「口コミを書いてくれた方には10%off」
という特典がついたことがあります。

割引してもらって、
なかなか批判は書けないですよね。


また十方よし.TVに出演していただいた
飯田屋の飯田社長がこんなことを言われていました。

「アマゾンの売れ筋ランギング1位から100位までの
 ビールグラスを買い集めて、
 どれが一番おいしくビールを
 飲めるかを基準に社内でブランドテストをした。

 結果、1位のグラスがダントツの最下位になった。
 誰一人としてアマゾン売れ筋ランキング1位の
 グラスをおいしいとは評価しなかった」


売れ筋ランキングは、ビジュアルや購入しやすい価格、
広告による印象などの影響も大きい。

カスタマーレビューは
その一品を気に入ったかどうかという
絶対的な評価。

飯田屋さんのように何十種類のグラスを飲み比べて
相対的な評価をしている人はいないでしょう。


カスタマービューの評価を
鵜呑みにしてはいけないですね。

我々は自分に合った「良い品」を
購入しているのではなく、
「良いと印象づけられた品」を
購入しています。


口クミ情報はあくまでも参考程度で。

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

映画『ラーゲリより愛を込めて』は
ご覧になりましたか?

第二次世界大戦後、
零下40度を超える厳冬のシベリア強制収容所(ラーゲリ)で
日本にいる家族や両親を思い、仲間と懸命に生きた男、
山本幡男の壮絶な半生を描いた物語です。


戦後11年もの間、日本に帰国することができず、
わずかな食料で過酷な労働を強いられてきました。

いわゆる「戦争映画」ではありません。
現在のコロナ禍であったり、
閉塞感が漂う今日の日本において
状況を重ねてみることができる作品でした。


「人間は希望がなくては生きていけない。
 たとえ希望がなくても、生きていかないといけない。
 ちっちゃな希望を見出してでも…」


このようなメッセージを
私は作品から受け取りました。


強制収容所での過酷な生活。
帰ることができる日がいつ来るかも分からない。

仲間が次々に亡くなっていく。
そのような状況でも「希望」を見出せるでしょうか?


日本に残した両親や家族が
亡くなってしまってことを知る。

日本に戻る理由、生きる理由がない中でも
「希望」を見出せるでしょうか?


ナポレオン・ボナパルトは、
「リーダーとは“希望を配る人”のことだ」
という言葉を残しました。


我々リーダーは、どのような環境下であっても、
「小さな希望」を配らなければならない。


そしてリーダーでなかったとしても、
「希望を見出す力」が個々には必要です。



昨今、日本社会や日本経済は閉塞感に
包まれていると言われています。


だからこそ
希望を届けられる企業にチャンスがある。

希望を見出せる人材がさらに輝ける。


山本幡男のように
どのような状況でも「希望」を
見出せる人でありたいと思います。

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


NHKドラマ『正直不動産』をご存知ですか?

不動産業界に身を置く主人公の永瀬。

契約のためなら嘘を厭わずに営業成績をあげてきたが、
ある日、祠を破壊してしまったことで、
嘘がつけない体質になる。

嘘をつかない正直営業でライバル会社との競争に
立ち向かっていくという話です。

「嘘をつく」とありますが、別な言い方をすれば
メリットばかりを強調して、
デメリットの説明をしないということ。

主人公の長瀬も過去にはデメリットを説明せず、
嘘ではないスレスレのトークを展開し、
多くの契約を獲得。

しかしその分クレームも多く、
顧客が怒鳴り込んでくることも。


このドラマを見ながら、
前回もご紹介した合羽橋で超"料理道具専門店を
経営されている飯田社長の話を思い出しました。


何百種類の調理道具を試している経験から、
飯田社長のプレゼン力は絶大です。


松本:
「通販番組からのオファーも多いですよね?
 お仕事を引き受けないんですか?」

飯田社長:
「たくさんお話をいただきますが
 全てお断りしています。
 今の通販番組のスタイルでしたら、
 お引き受けすることはありません」


松本:
「どうしてお引き受けしないんですか?」

飯田社長:
「通販番組は限られた時間の中で
 紹介しなければならない。
 メリットしか伝えてはいけないんですね。
 “ここが弱点です”とか
 “こんなお客様には不向きです”
 とは言えません。
 
 結果、お客様にピッタリではないものを
 売ることになってしまうんです。
 
 “弱点を包み隠さず話してよい”
 “正直に全て話してもよい”

 こういう条件ならば
 引き受けることがあるかもしれませんが…。
 
 今の所、そんな通販番組は存在しません」



正直不動産の主人公の長瀬と
飯田社長に共通していること。

それは「正直である」こと。

正直とはメリットだけではなく、
デメリットも全て包み隠さず、
顧客へお伝えすることです。


デメリットを正直に伝えれば、
顧客は迷って購入を見送るかもしれない。
売上は伸び悩むかもしれない。


「売る」ことが目的なのか、
購入後の「顧客の幸せ」が目的なのか。


目的の違いが
正直さの違いを生み出します。

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


前回に引き続き、
合羽橋で超"料理道具専門店を経営されている
飯田社長のお話です。


飯田屋の定義を「厨房用品の小売・卸売業」を改め
「喜ばせ業」としました。

そのために3つのことを禁止しました。

・売上ノルマ(売上目標)なし
・売りつけ行為禁止
・飛び込み営業禁止



なかなか勇気がいる決断ですね。


「お客様を喜ばせることならば、
 何をやってもいい。
 自由にやってもいいよ」



こんなメッセージを飯田社長は
日頃から発信しましたが、スタッフの行動は、
なかなか変わらなかったそうです。


「自由にやってもいい」

これではかえって自由にやれないではないか?
と考え直します。


そこで決裁権限を以下のように決めたそうです。

・部長・課長は2000万円/年
・正社員は500万円/年
・パートは300万円/年



上限金額内で用途は多様ですが、
お客様から「こんな商品が欲しい」という声をヒントに
独自の判断で試しに仕入れている方が多いそうです。


また「160時間ルール」というルールがあります。

一人のお客様を喜ばせるために
最大月160時間まで使っていいというもの。


スタッフの中には、
たった一人のお客様の「これが欲しかった!」のために、
時間を使って徹底的に調べる方もいるそうです。


スタッフの主体性を引き出すために、

「自由にやってもいいよ」

と言ってしまいがちですね。


ここでいう「自由」は、かえって
相手を戸惑わせてしまうだけかもしれません。


基準を決めてあげる。

基準があった方が、
かえって自由に動けるのかもしれません。

 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

十方よし.TV 1月号のゲストは、
株式会社飯田の飯田社長。

合羽橋で超"料理道具専門店を経営されています。

様々なメディアで取り上げられていますので、
ご存知の方もいるかと思います。


アマゾンが台頭する中で、
リアル店舗の価値とは何でしょうか?

そのヒントを教えてくれる内容でした。
(→詳しくは十方よし.TVにてご連絡ください)


「商品価値=商品力×伝達力」


と言われます。


・商品力◎ × 伝達力△

→世の中で埋もれている商品。
 本来の価値が伝わらず、勿体ない。


・商品力△ × 伝達力◎

→一時的には売れる。
 誇大PR等があれば、
 顧客からすれば期待外れで
 クレームに繋がる場合もある。

飯田屋さんでは、

・オタマ 1,000種類以上
・おろし金 250種類
・まな板 150種類
・フライパン 200種類

上記のような豊富にラインナップされています。


何よりも驚いたのが
スタッフさんがそれだけある種類の商品を
実際に使っており、
特徴や違いが分かるそうです。


同じ大根を使うにしても、
どの「おろし金」を使うかによって、
触感も味も変わるというのです。


250種類ものおろし金を
試した人はいないですよね…。


来店されたお客様の声をよく聴き、
そのお客様にピッタリの商品をご案内すること。


「もし売れ筋の3種類しか取り扱っていなければ、
 スタッフも妥協をして、その3種類の中から
 商品をご案内してしまいますよね?」



飯田屋さんでは「妥協」とは
言い換えれば、「小さな嘘」なのかもしれません。

「これでいいか」と「これがいい」の違い。



お客様が求めるニーズと商品を
ピッタリと合わせる。

スタッフさんの役割はマッチングなのでしょう。


自店で取り扱う数多くの商品を
自ら使ってみる。

商品開発担当、営業担当から渡された
PRチラシをただ伝えるだけ。

自社商品も他社商品も
実際に使ったことがない。


そういう販売員の方も
残念ながらいますね。


実はそのような小さな違いが
「伝達力」の差を生み出しているかもしれません。