『若者が分からないズレたおじさん その1』 | ~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

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100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


最近の若者は何を考えているのか分からない…。
そういう悩みをよく聞きます。

特に1987年以降の生まれのゆとり第一世代と
ポスト団塊ジュニア世代(昭和50年~56年生まれ)の
世代間ギャップは大きいという見方もあります。

某サービス業の複数の店舗責任者を担当する、
A社の48歳山口課長(仮名)。

彼はこのように言っていました。

「最近の子は、怒るとすぐに心が折れてしまうからね。
褒めてやらないとね。
“私を認めてほしい”という承認欲求が強いから、
とにかく褒めて自信をつけさせないとね」


若い子のやる気を伸ばすには褒めればいい。
少し安易な考えにも聞こえました。

店舗内の表彰制度を通じて
若手社員Tさんを褒め讃えました。

そして山口課長はコメントを付け加えました。

「Tさんは1年目でこの行動は素晴らしいね。
 2年目、3年目の若手社員の皆さんも彼女から学んでください。
 追いつかれている先輩たちは、気合を入れ直してください」


表彰されたTさん。
意外にも表情が曇っていました。


後日、Tさんの同期の方から聞いた話では、
「褒められるのはそれはそれで嬉しいけれど、
 もう少し控えめにできないかな。
 ものすごいことをやったわけでもない。
 しかも私と比較をして、先輩たちに叱咤激励のようなことを
 言われると、先輩たちも不快に感じるはず。
 今後の私の行動をじろじろ見られそうで、プレッシャーに感じる」

 

褒められることは嬉しいが、
比較をされて“悪目立ち”することは望んでいない。
アピールが過ぎると叩かれると学習をしてきている若者もいます。

山口課長は、Tさんのモチベーションを上げるために褒めたのに、
実際は下げてしまっている事例でした。