『私は10年間コロナ禍でした』 | ~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

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100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


十方よしTV4月号には、
春蘭の宿さかえや 湯本社長に登場していただきました。

長野県にあるホスピタリティが高い温泉旅館。
旅館甲子園で日本一を2回。
楽天トラベルアワードでブロンズ賞を受賞されています。


コロナ禍ではダメージを受けているのは、
飲食業ばかりではありません。

インバウンド需要がなくなり、
自粛モードで国内でも観光地への移動が減りました。


旅館業は前年比50%近くに落ち組むほど、
打撃を受けました。

春蘭の宿さかえやさんも例外ではありません。
おまけに設備故障なども重なり、
このまま経営を続けるのが難しい状況になりました。


しかし湯本社長はある日、

「なんだ!おれはずっとコロナだったじゃないか。
 20年前のあの時よりマシじゃないか!」


と思ったそうです。


20年前はまさに地獄。

設備は老朽化。あちこちが故障。

法人の通帳には数万円しか残っていないなかで
返済期限が迫る。

辞めた社員と労基問題の対応をしなければならない。
そして頼りにしていた料理長の急逝。

絶望しかなかったそうです。

そこから10年かけて少しずつ会社はよくなってきた。

今は一緒にもがくスタッフもいる。
旅館の評判をよくなってきた。
銀行の信頼も積みあがってきた。


「別に今がコロナじゃない。
 俺はずっと前からコロナだったじゃないか!
 今更バタバタしてどうする」


そのように切り替えられたそうです。

そしてお客様が来ない時だからこそ、
温泉付きの個室を作る等、設備投資をする。

工事音などを考えると平常時は
宿泊するお客様に迷惑をかけてしまう。

三密を避ける傾向から
このVIPな個室から予約が埋まっていったそうです。

まさに逆転の発想。


セルフモチベーションの分野では、

「無意識に現状の逆境の大きさを、過去の逆境体験と比較する」

ということが言われています。

コロナ以上に厳しい体験をされた湯本社長だからこそ、
コロナの苦境を取り乱さずに対応できたのでしょう。

どんな経験も無駄にはならない。
将来起こりえる苦境を乗り越える糧になります。