『希望的なビジョンを話さない』 | ~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

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100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


武蔵境自動車教習所へ取材での気づき、
第二弾です。

自動車教習所の事業は、業界としてどうなっていくのか、
全く予想できません。


高橋会長は社内メンバーへ、

「自動車教習所は10年後に廃業します。
 これからはサービス業を中心に経営していきます」


と宣言しています。

これから入社してくる新入社員にも
同様のことを伝えています。

「教習所業はあと10年で廃業します。
 しかし皆さんの人生は守ります。
 やりますか?やりませんか?」と。


セオリーで言えば、
社長は希望的なビジョンを描き伝え、
ワクワクさせることが役割。

でも高橋会長は正直に
「10年後はなくなる」と言っています。

東京で2位、全国で3位の入所者であろうと
なくなると。

未来に起こりうる現実を伝える。
偽りの希望的なビジョンではなく、
正直で現実的なビジョンです。

それでも入社してくるスタッフがいます。
会社に惚れて入ってくるに違いありません。
何をやるかではなく、誰とやるか。


10年後の廃業宣言をすることによって
新規事業の立ち上げを加速化させることも
できるともおっしゃっていました。

現在の主事業で働く従業員を確保する新規事業を
10年で作り上げていくというのは、
本当に覚悟がいる宣言だと思います。


正直で現実的なビジョンを伝えること。
これも社員への「愛情」なのではないでしょうか。