『クレドがあれば、マニュアルはいらない?』 | ~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

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100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

 
『クレドがあれば、マニュアルはいらない?』
 
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
 
 
「なぜクレドを構築したいと思いましたか?」
とS経営者へ投げかけました。
 
すると、
「顧客の要望が多様化・複雑化してきている。
 この要望に現場で臨機応変に対応しなければリピーターになりません。
 “やり方”を教えてもムダ。
 “考え方”を教えて、どのような場面に遭遇しても、
 自分の頭で考えて、適応できるようにしたいんです」
 
 
“やり方”を事細かに指定するマネジメントに限界を感じる。
顧客に型通りのサービスを提供するのではなく、
本当に顧客が喜ぶサービスを提供したい。
 
だからクレドを作成し、
浸透させるという考えに至った経営者が多いのではないでしょうか。
 
 
「松本さん、クレドがあればマニュアルはいらないですよね?
 廃止しようと思うのですがいかがでしょう?」
 
 
S経営者からこのように質問されました。
実はこの質問、他の経営者の方からもよく聞かれます。
 
私は持論を述べました。
 
 
「マニュアルがあるとマニュアルに縛られたサービスをしてしまう
 と捉える方がいるんですが、私はそう思いません」
 
「へぇ~」
 
「マニュアルはスタッフへ“安心”を与える。
 さらにお客様へも“安心”を与えるからです」
 
「社長がまだ新人スタッフだったとしたら、
 クレドに基づいてお客様の立場に立ってサービスをすればいい!
 とだけ言われたら、不安じゃないですか?」
 
「まぁ、そうかも…」
 
「気持ちはあっても、何をすればいいかが見えないわけですから。
 マニュアルは、スタッフの行動を縛るものではありません。
 マニュアルは、スタッフを“自由”に行動させるための基礎知識です」
 
「自由にさせるための基礎ツールね…」
 
「はい。
 御社でいうならば、
 マニュアルはお客様に“安心”へ提供する。
 クレドはお客様に“小さな感動”を提供する」
 
「安心と小さな感動があって、
 顧客はリピーターになると考えてみてはいかがでしょうか?」
 
「なるほどね…。マインドの方が大事だけど、マニュアルがないと
 武器を持たない兵士みたいになってしまうね」
 
「マニュアルは最終ゴールではなく、あくまでも出発点ですから」
 
 
理念浸透のお手伝いをしていると、
クレドとマニュアルは相矛盾すると捉える方に多く出会います。
 
矛盾はしていません。提供しているものが異なるからです。
 
 
「マニュアルは縛るためではなく、自由にさせるためのツール」
 
このように捉えてみてはいかがでしょうか。