年始に思う事

製造業には設備に多額の投資が必要ですね。
一個1000円で作って利益確保出来ていた商品。
そこに取引先から(例えば)一個900円で注文が来る。
(割に合わないからと)一個900円での依頼を断る。
一個900円で同業他社が受ける。
一個900円が発注側の基準の価格になる。
次は850円とか800円の見積にしなければ買ってもらえない。
こういう過当競争を繰り返すと価格が下がり続ける。
価格が下がり続けると設備の減価償却費用どころか目先の儲けさえ出なくなる。
目先の儲けを出す為に材料のグレードを落とし人件費を切り詰める。
品質が下がり不良率が増え返品対応が増える。
更に儲けどころではなくなる。
『良い商品が安い』の評判から、
『安いからこそ悪い商品』だと評判が落ちる。
更に製造側は儲けの為に仕方なく人体に有害だとされるが安価な材料を使う。
すると人体に有害な商品を売る悪質ECサイトだとまたまた評判が落ちる。
結果的に売れない在庫の山となる。
苦境のECサイトの製造担当工場の話を聞いて私が思う事。
相見積でコスト競争させられてきた日本の町工場と何がちゃうの?


「金額の件はそれで良いのですが納期が大事なので」
と今度はご希望納期での打診がありましたが、
それなら最初から気分良くこちらの値段でお仕事を請けさせていただきたいと、
心から思ったりするのでした。
実際に以前何度か価格の比較で他社さんに出されたらしく失注したと思っていたら、
何があったのか知りませんが、(だいたいわかりますけど)
まったく同じ図面でご注文いただいた事もありました。
その時も同じように、
値引きを言われたりなんてありました。
「実は他社さんの見積の方が安かったので金額面でのご協力をいただければ…」
って
『えっ?いや、マジ知らんがな!』
としか私には言えません。
某ECサイトの苦境と同じように、
金額で小手先の事をすると、
いずれ発注されたメーカー様に不利益として返ってきます。
ウチも含めて試作業界は過当競争の傾向は確かです。
だからといって相見積と値引き要請は、
いずれ必ず品質低下というブーメランがご自身に返ってくると断言しておきます。
ウチは(多分)手を抜いたお仕事はしませんので、
どうか正当なご評価を金額面でいただきたいと思っています。
また、同業他社様にも同じようにお取り計らいいただければ幸いです。
日頃からの私の想いを新年のご挨拶のかわりとしまして
サークルアンドスクエア株式会社
代表取締役 小田昌宏
2025年1月吉日