いろいろチャレンジするのは食い詰め者だから | サークルさんのブログ

いろいろチャレンジするのは食い詰め者だから

今日、クソ暑くもクソ忙しい最中、
 
気分転換に引き出しの整理をやっていたら、
 
たまたま下記画像の部品が出てきました。
 



いわゆる金属の微細加工と呼ばれる物で内視鏡の関節部品です。


 

この前テレビ番組で見たのですが、
 
日本は内視鏡関連産業のシェアが世界一だそうです。

実は当社も内視鏡の関節部分の試作をやっておりました。



 



これを何十個も重ねて使用します。 
 
材料はステンレス(SUS420J2)です。
 
今はウチではこうした金属の微細加工はやっていません。
 
儲からないからです。
 
内視鏡の試作品では何処かで誰かが稼いで儲けているのでしょうけど、
 
工作機械の設備や工具代や加工時間が掛かる割に売上が上がらない。
 
また刃物が減らなければ苦労しませんが、 
 
刃物が減ったりチッピングしたのに気づかないと寸法公差から外れます。  
 
つまり、次に刃物を交換するまでの全品がNG品になるって事です。 
  
こういった金属微細加工をやる前はデザインモデルと言われる工業試作品を製造してました。
 
それに合わせてブースを持って塗装もやったり、
 
蒸着装置を導入してアルミの鏡面メッキまでやってました。

その時は食えてるつもりでしたが、
 
今から考えるとかなりの低空飛行。 

冒頭からの金属微細加工を経て、
 
今ではレンズ等の光関連部品の"試作だけ"をやっています。 




 
なぜ今までいろいろな事にチャレンジしてきたのか? 
 
それは、食えないからです。

食い詰めているからです。
 
流行らんラーメン専門店がざるそばや冷やし中華をメニューに出したり、
 
店舗前に自販機を置いたりするようなもんです。
 
さて、今では光部品以外のプラスチック加工品や、
 
リフレクター以外の金属加工はまずやりません。 
 
もちろんウチだって金属加工は出来ますが、
 
ウチでやっても価格競争力で他社様に負けるのでやらんだけです。 
 

お陰様でウチにレンズ案件のご依頼をいただけるお仕事はほとんど当社ご指名だったりします。 
 
何だったら試作図面に当社の名前が入っていることも少なくありません。
 
つまり、他社には出せないし出すつもりは無いって事のようです。
 
誠にありがたいお話でございます。 
    
なのでチャレンジは軸足を残した程度でやっていきます。
 
以上、数々のチャレンジとは自慢話では無く食い詰め者の足跡というお話でした。