蘇る日本製造業と頼もしいTDKの宣伝看板
かれこれ12年前頃のリーマンショックの底からのテコ入れ時期に、
『俺が日本の製造業を盛り返すぜよ!』
みたいな人が一人とは言わず全国各地に、
しかも企業の大小(中小零細)に関わらず他人様(ひとさま)に見える場所でご活躍されていました。
コロナショックの底から回復したかと思えば、
今年の"サプライチェーンショック"とでも申しましょうか?
もう、そういった威勢の良い話も聞く事はなくなりました。
これは全体的な傾向なのかもしれません。
今までには無かったパターンの不況で製造業に勢いが無い。
偏りは存じておりますが全般的な傾向のようでございます。
『買いたくても物が無いから作れない』とかの話って、
過去に遡れば昭和の戦時の物資不足以来の経済的混乱のパターンなのかもしれません。
町工場レベルでは
「『忙しい』けど『やる所が無くなったから回ってきた案件』が増えてきた」
なんて話もございます。
そんなレベルで喜んでいても、
お仕事を出す側が弱って来ているのなら、
その案件もいつか無くなります。
そしてすでに退場した町工場と同列に自分達も淘汰される側に回ります。
…いつか必ずです。
大企業を支えてきたサプライチェーンとしての町工場。
町工場数が減って競争相手が減ったと喜んでいてはいけません。
それは大手も含めての「日本の製造業の弱体化」に他なりません。
だからと言って町工場レベルでは大した事は出来ません。
リーマンショック後の雨後の筍のような町工場レベルの活動の大風呂敷広げた答え合わせは、
残念な結果だったのは疑いようも無い。
(ここで"結果"ではなく"チャレンジする事が大事なんだ"とか頼むからもう言うなよ!)
やはり、日本の製造業全体が勢いを取り戻してくれないとどうしようもない。
さて、世界陸上の『TDK』の看板文字が、
織田裕二の心のこもっていない大げさなコメント(セリフ)よりも頼もしく見える。
私はまだ日本の製造業は行けると思っています。
日本企業が恵まれているのは内部留保のレベル(と低金利政策)と豊富な人材です。
特に日本の製造業のメーカーの研究・開発の人材はかなりのレベルです。
そこは仕事柄から肌身に感じております。
人材が払底していてはどうしようもありませんが、
その人材があるからまだ元の場所に戻れる可能性はあります。
これは好転する場合の一例ですが、
昭和の大戦の後の公職追放のお陰で勉強不足の老害が追い出され、
登用により若い人材が活かされ、
戦後復興が早かったという説もございます。
…あっ。。。
要らん事は言わぬ事。
今日はこの辺で。