ヅラの王様 | サークルさんのブログ

ヅラの王様

王様は薄毛だった。

  

若い頃からの悩みだった。

 

ある日、城下の者にこう申し付けた。

 

「一番のヅラを作った者にはたいそうな褒美を獲らす!!」

  

それを聞いたヅラ職人は、 

 

国内どころか国外からも自慢のヅラを持参した。

 

しかし、すべて王様の気に入る出来上がりのヅラは無かった。

 

最後に駆けつけたのは国外から来たヅラ職人。

 

王様に、

 

「これは正直者にしか見えないヅラでございます。

 

嘘つきには見えないそれはそれはすばらしいヅラです。」

 

ってか、王様にはそのヅラが見えない。

 

でも、取り巻きの臣下の者すべてが口々に素晴らしいを連呼するにつけ、

 

王様も嘘つきと思われるのが厭なのでこう言った。

 

「これはすばらしいヅラだ。よし、褒美を獲らせよう!」

 

こうして、王様はハゲ丸出しで町中を輿に乗って新しいヅラをお披露目した。

 

民衆のみんなは、

 

「おお、なんとすばらしいヅラだ!」

 

「私たちには自然な地毛に見える…。これこそ我が王様に相応しいヅラだ。」

 

と、口々に言いかけては笑いをかみ殺している。

 

そして、なぜか王様が通り過ぎた後は各場所で大爆笑が起きている。

 

ある通りに差し掛かったところ、

 

『王様はつるっパゲ!』

 

きれいなクリクリの目をした少女がそう叫んだ!

 

「本当にワシのこのヅラが見えないのか?」 

 

『はい、ハゲの地頭のまんまに見えます。』

 

「そうか…。」

 

 

後日、この少女は家族もろとも火あぶりの刑にされた。

  

上の者が正直に言え!と言っても絶対に乗ってはいけません。

 

 

町工場は人と人の繋がりがすべて