微細穴が一番得意なのは蚊です
うちの会社は試作品を製作する仕事です。
仕事の関係上、研究開発の分野や部門が多いのです。
今日のお題は微細穴加工であります。
世の中にはシャーペンの芯に穴を空けて筒にする、
なんて技術を持った会社もございますが、
うちなんかに真似できるかどうか?
やれって言われない限り永遠にチャレンジはしないと思います。
さーて、今回のお仕事は直径0.05mm(ですから50ミクロン)の穴空けを含む加工です。
厚さ2mmのABS樹脂(プラスチック)にΦ0.05mmの穴空けをする訳です。
アスペクト比1:40ですから、深ぁ~い。
ドリルは直径0.05mmで長さが1mmのマイクロドリルです。(両面加工になります)
蚊の注射ストローくらいの感覚の細さですから、
こんなものが指にでも刺さったら医者でも抜けないでしょうね。
これはまさにオオゴトです。
よくある事ですが、気づくとドリル部分が無くなっています。
そんな事は、よくあってはいけません。
しかも、高ぁ~い。(高価)うりゃー!チェキラウト!
穴が通っているか測定顕微鏡で見ますが、
ABS樹脂が透明ABSなのでよく確認が出来ません。
せっけん水とコンプレッサーのエアーで確認です。
まるでパンク修理です。
いや、ヒビ割れガス管のガス漏れチェックのCMのイメージか?
両面加工ですから裏表の位置あわせがミクロンオーダーです。
シビアな分、手間と時間をかけております。
この写真は直径0.05mmの貫通穴を200個か300個か忘れましたが、
空けた穴で文字を作った展示会用サンプルです。
ピント合わせが難しく単体の穴は写ってはくれません。
(ドリルは日進工具様ご提供です。)
ミクロ写真を撮るのも、まさにオオゴトです。
いやー、蚊は偉いしスゴいわ。(小)