一期一会
最近何事につけ感じる事は、フォレスト・ガンプよろしく、
人生は「一期一会」の連続であるということでございます。
私達の仕事は製品開発に一番近い場所の製造業です。
設計開発用の「テスト品」が多いわけです。
いわゆる試作品、モデル、モックアップというものです。
量産品は大量に安く作らなければ仕事にならない。
ですが、私達が作っております試作品は、
あくまでテストや確認用ですから、
数量は1ヶ~数ヶがほとんどです。
昨日も旋盤のテーパーの異形ネジがうまく切れない。
出来るはずのモノなのに出来ない。
なぜか理由が分からないまま、とりあえずは完成しました。
とりあえず出来上がったモノをクロネコで送ってみましたが、
どうも出来上がりが気に入らんので、
やはり納得行くまで再製作しようと思い直し、
原因を究明しながらたった一個の為に、
何個も何個も作るのです。
そしてみんなさっさと帰ってしまって、
夜中一人残った第二工場の中、
給食で出たゴボウが食べられず、
一人教室に残っていたあの頃を思い出す事しきりで、
NC旋盤の前で丸棒が削れてゆく姿を見ながら、
「今、作っているモノは納品したらもう会うことが無い。
この要らない切りくずだって、良品分の製品だって再会が無いのは同じ事。
旋盤のこの刃物のセッティングも次の仕事が入ると、
外してしまうので同じ組み合わせは無い。
あぁ、仕事も人も一期一会だなぁ」
などと、しみじみと思うわけです。
また、こんな夜はひとり寂しく酒を飲むのでアリマス。
さて、本日は朝から出張のつもりが出発時間がどんどん遅れ、
思うように時間の段取りが出来ませんでした。
そしてやっと到着したのは、とある大学です。
ご迷惑がかかってはいけません。
わざと写真をぼやかしています。
けっして出身校ではございません。
メチャでかいぞ、ここのキャンパスの敷地。
いきなり迷子になりました。
なぜだろう、途中こんな道もありました。
初秋というのにまだセミの声がけたたましく響いておりました。
この短い山道を抜けやっと到着し、無事納品を終えました。
(研究中につきご迷惑が掛かってはいけませんので内容は差し控えます。)
人生は「一期一会」の連続です。
しかし、今回の納品は展示会からのつながりでしたので、
納品したモノと違い、人と人とは決して一期一会ではありません。
あぁ、感謝感謝。(小)