みなさんこんにちは。
認定心理士の道田智子です。
ラジオの原稿をUPします
今日は「気持ちを分かち合うこと」についてお伝えします。
私は、仕事で企業のコミュニケーション研修講師をしております。
管理職・経営者の特に男性に多いのですが、
「気持ちを理解するという事がよくわからない」といわれます。
数年前にベストセラーになった
「地図の読めない女・話を聞かない男」という本に書かれていて、実際に研究として証明されているのは、男性は「解決型」の思考で、常に事実は何か、結論は何かと無意識に考えてしまうので、その時の気持ちがどういう気持ちだったか、ということを意識しにくいといわれています。
一方で、女性は「感情を理解する」能力に長けていて、どう思ったこう思ったという、その時の感情を吐き出す、ただ、それだけで良いそうなんです。
つまり、脳の構造が違うから、そもそも男性と女性は違うから、男性は気持ちは理解しなくてもいい・・・というわけではございません。
30代40代の働く世代の男性に、なぜ自殺が多いか・・・それは、自分がいっぱいいっぱいになっている気持ちに気がつくことができずに、ときには気持ちを押し殺しすぎて、身体と心の声に気がつくことができずに、鬱になって時には命を失ってしまうのです。
メンタルタフネスという、自分の心を強くするトレーニングの1つに
自分の気持ちに気づくことが大切といわれています。そのためには、誰かがあなたの話を聞いてくれるときにどんな聴き方をしてくれているか、気持ちに意識を向けられるような聴き方をしてくれているかが、重要なポイントでもあります。
意識を向けるためには「共感して聴く」こと。
さて、共感とは気持ちを同じように理解するという事です。
心理学では人が人を理解するメカニズムを解明し、その観点から共感について述べています。
人が人を共感すなわち理解するには3つの理解があります。
1つ目は判断的理解です。2つ目は同情的理解、そして3つ目にあるのが共感的理解です。
まず、1つ目の判断的理解のなかには、分析的理解と評価的理解の2つがあります。
分析的理解とは、あなたがはじめて人に会ったときに「どこから来たのですか」とか「お仕事は何されているのですか」と尋ねられる、つまり、その人の住所・家族構成など、背景について尋ねて相手を理解しようとする理解の仕方です。
話が進むと、心が近くなりコミュニケーションが良好になっている気になります。大切な要素ですが、表面的な理解になります。
もうひとつの評価的理解は、良い人悪い人、あるいは冷たい人、温かい人というように評価を交えて相手を見ることです。
人を理解することは本来はとても複雑なことですが、それを1つの基準で図ってみるとわかりやすいために、私たちは無意識のうちにどこかでひとを評価して理解する仕方を取りがちです。
しかし、分析的理解も評価的理解も本当に相手を理解できたかというとそうではないのです。気持ちをともない、
相手の心の内側に入っていくためには2つ目の「同情的理解」や3つめの「共感的理解」が必要となります。
「同情的理解」とは、かわいそうとか気の毒にといった感情が伴います。でも、それは高いところから低いところを見下ろしているという感覚になります。たとえば、アフリカで飢餓に苦しむ子供の姿を見て「かわいそうに」と感じている気持ちは、私たちは日本で豊かな暮らしを送っているゆえに、比べてみていて優越感が伴うので、上から目線になっているという事です。
では「共感的理解」とは、相手と同じ位置で、同じ高さで見る感覚です。例えるなら、泣いている相手に対して、自分も涙を流し一緒になって泣けるかどうか、その気持ちを汲み取れているか・・・すなわち、励ましではなく、一体になるそれが共感的理解です。
人は、共感的理解のないままに、相手をはげましたり、します。あくまでも、良かれと思って善意で励ましても、気持ちに共感してくれてないと相手が感じてしまうと、場合によっては、裏目に出てしまいます。
つまり、人が人を理解する仕方には判断、分析、評価、同情、共感があり、どれもそれぞれ必要な要素ですが、真にお互いを分かり合うためには「共感的理解」の姿勢が大切なんですね。
企業研修では、こうした内容を
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研修を構成し、体験して学びを促進させる
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