ドイツ・オランダ視察概要 | 四国のツーリングと旅物語

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ヴュルツブルグ市議会にて市長・ランゲナーさんご夫妻と
 
 平成24年11月22日お昼に、15日から出発した8日間に渡るドイツ・オランダ研修から帰国した。
 実際には、15日夜の便で出発し、21日の朝ドイツを出発しているので5日間。また、その中に移動日が1日あったので、現地をしっかりと見れたのは4日間ということになる。
 
 今回の研修では、シーボルト博物館館長のランゲナーさんに大変お世話になった。我々の訪独が意義あるものとなるよう細かいところにまで気を配っていただき、時間の無駄がない計画をされていた。西予市に関連あるドイツ訪問には言葉にできないくらいの大きな貢献をされていると思う。
 
 これまでドイツは遠い国のように思っていたし、ランゲナーさんにはこの間米博の晩餐会で初めてお会いしたのであったが、宇和町時代から国際交流などに関わり多くの子どもたちを受け入れてこられた実績も多いことから、本当ならもっと市民にもその活動や努力を知って欲しいところだ。そういう自分も深い理解ができていなかったことを恥ずかしく思った。
 
 今回の視察で撮影した写真は約1800枚、しかし、観光旅行とは違うので車窓からのものばかりで、きれいに撮れているものはわずかであり、また、記録も旅日記みたいで読み返してみると公開するのが恥ずかしく思える。もう少し時間を掛けてエッセンスをまとめ、整理した写真と共に順次掲載していきたい。
 
 本当は毎日アップしていけば良かったのだが、スケジュールがハードで夜はもう寝るだけ。おまけに、ネットもうまく繋がらないので、後で記憶が忘れてしまわないようまとめるのが精一杯で、気持ちが萎えてしまったのだった。
 
 今回の視察研修としては、3つの総括をしたい。
1.再生可能エネルギーへの取り組みを推進すること。特に、バイオマス発電は西予市にとって早急に取り組んでいくテーマであり、先進地ドイツの取り組みを導入することを検討することが重要。
 
2.国際交流の推進に積極的に取り組むこと。特に、合併後それまで積み上げてきたドイツ・ヴュルツブルグとの絆が大切にされてないのではないか。もう一度見直して、継続可能な交流のやり方で続けていく。
 
3.風力発電について西予市の取り組みは消極的すぎていて、脱原発などという精神が感じられない。西予市に風力発電の道筋をつけていく調査研究をはじめる。
 
 以上の3つを政策テーマとして今後取り組んでいくことを参加者で確認した。その第一弾として、12月定例議会に報告し、一般質問で取り上げてテーブルにのせていく予定であるので、是非とも傍聴、または、CATVで見ていただきたいと思う。
 
 
 2点目の国際交流についてであるが、ヴュルツブルグ市長も市の国際交流課やランゲナーさんがその役にあたっているので、そこを大いに活用してヴュルツブルグ市へ訪問して欲しいという話をされた。「西予市にも来て欲しい」というお願いもしたのだが、まだまだこちらの努力も必要なようであると思った。
 
 相互訪問が理想なのであるが、ヴュルツブルグ市は千年以上の歴史があり、キリスト教司教の支配が続いたという歴史ある美しい町。世界各国に姉妹都市があり日本では大津市がその関係にある。西予市も、しっかりとした交流を深めていきたいところだ。そのためには、市民各団体が訪問するようになることが重要なのだ。
 
 そんなことをいっぱいいっぱい考えて、自分にできることをしていかなければならないと思って帰ってきた。「お小遣いをためて、ドイツへ行こう!」などという目標を子どものうちからもつ、などということがもしできれば実現できる可能性がある。いろいろ考えなければならない。
 
 たくさんの報告があるので、今回は概要を写真と共に紹介する。
 
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エルワンゲン市長と意見交換
 
 ヴュルツブルグ市の東方にエルワンゲン市という町があり、そこは家畜糞尿によるバイオマス発電が盛んな町であった。そのまちづくりについて、市長自らプレゼンテーションをしていただき、様々な質問に答えていただいた。
 
 人口2万5千人のエルワンゲン市は、中小企業を大切にする町であり、失業率が2%とドイツでももっとも少ないということで、その数値は失業者がいないと言っても過言ではないそうだ。雇用のための教育に力を入れており、質の高い労働力を企業に提供していた。そして、中小企業も労働の場を提供し、町の発展に貢献するという、行政と民間のいい関係が築かれているのである。
 
 また、過去には、この町にたいへん馬が多いため、馬に税金を掛けるという政策をしようとしたが、議会の反対で実現できなかった。しかし、犬には税金を掛けているそうだ。町並みも法律で大変厳しく規制しているため、中世のように美しかった。
 
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会議室でプレゼンテーションをするエルワンゲン市長
 
 議会で視察に行った場合、市長が出てきて説明をしてくれたり、いろいろな質疑応答に対応してもらえるところが凄いと思う。それぞれの市長に独自の行政感がある。
 
 
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シーボルト博物館にて
 
 ヴュルツブルグ市のシーボルト博物館は、シーボルトの家族や生い立ちについて詳しく展示されている。休日にもかかわらず、ランゲナーさんご夫妻が西予市議会のために開館して待っていたくれたのである。それなのに、日中の研修が長引いてお二人を待たしてしまった。申し訳ない。。。
 
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ランゲナーさんご夫妻とお別れの記念写真。世界遺産レジデンツ前にて
 
 ここは、ヴュルツブルグでもっとも有名な世界遺産の建物。バロック調の建築様式で、大司教の宮殿だったところだそうだ。「是非とも見ておいた方がよい」ということで、ヴュルツブルグを離れる前に立ち寄った。
 ここでご夫妻と名残惜しい別れをし、我々は中を見学してフランクフルトへ向かったのだった。
 
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ヴュルツブルク市環境ステーションを訪問
 
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環境ステーションでは、命の大切さと環境について教育をしているところだ
 
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再生可能エネルギーの視察にシュバルツザルク修道院を視察
 
 ここは約2000人の修道士が、太陽光発電、風力発電、バイオマス発電により生活しており、それらを導入することによってエネルギー使用量が10分の1になったという事例であった。
 
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牛糞にトウモロコシの実、葉、茎、残飯などを混ぜて発電量を確保すると共に、冷却水を温水活用している事例の説明があった
 
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修道士の方が、熱心にバイオマス発電の説明をしていただいた
 
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修道院の家畜小屋屋根にはソーラー発電パネルが載っている
 
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ロッテルダムの日本文化研修センター
 
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庭には茶室が設置してあった
 
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日本文化センターを視察し、図書室にて
 
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オランダ・ハーグの国会議事堂。オランダの国会はハーグ、商都はアムステルダムだ。
 
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ポルダーの水をかつてくみ上げていた水車。今はスクリュウでくみ上げている。オランダの寒さには驚いた
 
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ドイツ・Lipp社訪問。エルワンゲン市に近い
 
 Lipp社は、バイオマス発電に必要なタンクの特許を持っており、丸くて大きいタンクを作るのに鉄板を接合する独自の技術で世界的にシェアを伸ばしている。ドイツで開かれている環境エキスポにその技術を展示中だった。
 
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Lipp社の社長は、2代目で女性のリップさん。今後の延びが期待されているためハツラツとしていた
 
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ヴュルツブルグ市のゴミ焼却場兼、発電所兼、温水供給施設
 
 ドイツでのエネルギー意識を見せつけたのがここ。
 日本だったら、ゴミを燃やしてお終い、という発想だが、ここでは温水を家庭に送り、電力も電力会社に販売。再生可能エネルギー活用のお手本みたいなものだ。温水が町に必要、という地理的条件もあった。
 
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ゴミ処理場施設長のフレリレッド・クレップマンさん。施設のしくみなど丁寧に解説いただいた
 
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太陽光発電所を見学。太陽の追尾システムなどでパネルがひまわりの花のように動く。角度も変わり、回転もする。
 
 まだまだあるが、詳細報告で載せていきたいと思う。