長男の保護者参観と懇談会に参加。

懇談会になると一気に保護者が減り、クラスの3分の1にも満たなかった。

転勤のため、今日が挨拶できる最後の日だと思い、参加した。

 

帰り際、

「ちょっと!秋田から来たばかりなのに、もう引っ越し?双子ちゃんもいるから大変よね。大丈夫??」

声をかけてくれたのは、以前給食試食会で隣の席だったお母さん。

双子ちゃんのお母さんでもあり、双子の苦労話で盛り上がったことを思い出した。

 

何て答えようかな。

愚痴ばっかりしか出てこないけど、そんな話したら気分悪くなるよね…。

と思いつつ、弱音を吐きたかったので甘えることにした。

 

「うち、実は双子が療育通ってて、新しい施設探したり、受け入れてくれる幼稚園探したりするのが大変で。正直参ってます」

「まあ!うちの双子もさ、〇〇のほうが療育通ってた。この前まで放デイにも行ってたんだけど、最近辞めちゃったわ」

「そうなんですか?!」

クラスでも、目立った行動もなく落ち着いているように見えたから意外だった。

「大変よね。本当に。療育ってさ、結局全部母親じゃない?

面倒な手続きして、面談して、通所して…こんな大変の子と過ごしているなんて、本当になんて偉いんだ!って思いながら毎日生きているの」

「やっぱり、お母さんが手続きなど全てを??」

「そうよ!」

「旦那さんって、療育に対して協力的ですか?」

 

あ、ダメな聞き方をした。と思い慌てて

 

「ごめんなさい。失礼なこと聞きました」

そんなことない、と手を振りながら

「夫はね~全部私の言う通りに動いている」

「言う通り…?」

「何も言わないのよね。だから、私がこうして、ああしてって」

「私の夫はどちらかというと否定的で。何度お願いしても、怒鳴るし…そんな夫にも疲れちゃって。夫も参っているんです。だって今まで一緒に暮らしていなかったから、子どもの癇癪についていけないと言うか。私にすれば、療育のおかげで随分改善されているんです。でも、夫には伝わらなくて」

「チャンスよ?だって旦那さんは今まで一緒に暮らしていないんでしょ?なら、お母さんが全部指示すればいいのよ。いいのよ、だって子育てしてなかったんだから」

なんてことないのよ、と話す。

「うん。療育に対して、いろんな意見があるよね。それでも私は療育賛成派の人間。だって、うちの子、幼稚園の時座ってるなんてできなかったし、本当に大変だった。みんなできる当たり前のことができないの。

療育の先生って本当にプロよ。幼稚園よりも少人数でしっかりと見てくれる。

もうさ、周りはいろいろ言うじゃない?躾が何だとかさ、家で教えないからだとかさ?

違うのよ。躾とか、母親が教えてないとか、そういうことじゃないのよ」

 

気持ちを全部代弁してくれるお母さん。私だけじゃないんだと思い、なんだか泣きそうになった。

 

「三男が特に難しくて。怒鳴ったり、怒ったりしても理解できないんです。そういう特性なんだよって教えても夫は意味が分からないみたいで」

「それよね!特性なのよ特性!その子その子で違うんだからさ。だからね、私は夫に私の言う通りにしてって言うの。療育先の先生に教えてもらった通りにしてもらうのよ」

私の夫も、素直に聞いてくれればいいのにな…なんて思った。

「療育行ってなかったら大変だったと思う。今も感謝しかない。家で同じことできないし、そんなことしていたら倒れるわよね?!」

 

本当にそうだ。母親が倒れてしまう。虐待の事件だって、明日は我が身と思って見てる。私にとっては他人ごとではないのだ。

 

「私ね、療育先のお母さんは全員仲間というか同志だと思ってる。本当はお話ししたいの、でも、なんていうのかな…話せないお母さんもいたりするのよね…」

 

話せないお母さんの気持ち分かる。

受け止めきれないんだよ。

だって大変で、きっと療育に来るのだって精一杯で来ているんだ。

周りと話すなんて余裕ないよ。かつての私だ。

 

「それでも、話せなくても、ここに集うお母さんは私の仲間だって、心強い存在だって勝手に思って過ごしてた」

 

秋田の療育先で年度最後の保護者の挨拶の時に、どのお父さんお母さんも同じことを言っていた。もちろん私も。

 

「あ~あ本当に残念!引っ越してしまう前に、もっとお話ししたかった。

いないじゃない?こんな話できる人ってさ。同じ状況のお母さんじゃないとね?」

 

教室を出てから、昇降口までのわずかな時間だったのに、とんでもなく濃い時間だった。

 

あ~私、このタイミングで、このお母さんと話せて本当に良かった。

療育に通っていることに後ろめたさを感じず、感謝の気持ちを忘れず、頑張ってる自分を精一杯ほめたたえて過ごそうと思う。