いつも双子中心の生活で何かと我慢の多い長男。

冬休みは長男にも何かイベントをということで、スケート教室に通うことに。


長男が通っている体操教室主催の3日間のスケート教室に参加。


朝の8時半頃に集合し、スケート靴の履き方から教えてもらいました。


秋田は雪国だから、秋田市内の小学校はスケート教室があったけど、今もあるのかな?

県南とか雪がもっと深い地域の同僚は

「いいなぁスケート!俺は学校の裏山でスキーだったよ」

「裏山があるなんてすごいね!僕のとこは先生がグラウンドに作ってくれた傾斜だったよ」

とかいう、なんともまあ贅沢な授業をしていた。

秋田県内に主力工場があった企業のため、秋田県出身はもちろん、東北出身者が多かったけど、私の代から関東出身が多くなる逆転現象が起き始めた年だった。

「え、待って。スケートとかスキーって義務教育でやるもんなの?君たち私立か何かな訳??」

「「「いや地元の公立。必須科目だけど」」」

「まぁ、スケートなんてオシャレなものはシティーガールやシティボーイだけだよ。俺みたいな田舎モンはスキーの一択だよ。今は知らないけど」

秋田市に住む人間をシティボーイシティーガールというのは父親世代くらいまでだと思ってたけど、この言葉まだ現役だったんだ。と軽く衝撃を受けた。

「関東出身ならではの授業ってあるの?」

「…スキーやスケートほどインパクトあるものは俺の学校には無かったかな」

「私の学校も無いかな」

「少子化だから手間やお金も他県よりもかけてもらえたのかもね。やっぱり雪国ならではのウインタースポーツは経験しておいたほうがいいよ」

「大人で初めるのは大変だよな」


そんなわけで、一応スケート経験者な訳だが、そんな20数年以上前の記憶なんて、無いに等しい。

スケート靴の結び方を教えてもらい、長男に靴を履かせる。

「ママ、これで先生のとこまで歩くの?」

小さい子はお母さんが抱ききれず(全員スノージャンプにヘルメットにスケート靴と完全防備で抱くのは難しい)、先生が抱っこしていた子もいた。

「ママ、抱っこできないから手を繋いで歩いてみよう」

立ち上がると大きくよろめいたが、歩き出すと一人でトットコ小走りして行った。

「ママぼく、ひとりで行くから迷子にならないでね」

「あ、うん」

贅沢なことに、3日間毎日90分レッスンのうち、最初の60分は貸し切りのため、待合室もゆっくりだ。

とは言っても下の子を連れてきている方が、下の子に朝ご飯をあげながら過ごして、他の方はリンク脇で見守っていた。


あー寒いから辛いけど…やっぱりそうだよね。

というわけで私もリンク脇で見ていた。

しばらくすると、コーンを置き始め先生がコースを作り始めた。

「えー、お母さん、お父さんにお願いがあります!

子どもたち、だいぶ慣れてきました。ドヤ顔でこの前を滑っていくと思いますので、手を振ってあげたり褒めてあげたり、写真や動画たくさん撮ってください!!」

先生の言う通り、子どもたちは得意気に手を振り、見てみてオーラ全開の長男をスマホで写真と動画を撮影。


しかし、体操教室の先生ってスケートも教えるんだな。

先生方みんな、レンタルでなく、ご自分のスケート靴だったような気がする。


長男のクラスはスケート初めてのクラス。

リンクの上をハイハイで進んだり、転んだ時に起きるため、座った状態から立ち上がる練習、滑るというよりペンギン歩きの練習が主だった。


もちろん転倒者続出だし、全員ヘルメットに手袋、スノージャンプ姿とはいえ、転ぶと痛いと泣く子も当たり前だがいるのだ。

痛みで立てずに泣く子を抱き上げ、滑って親元に連れて来る。無理に続けさせず

「お母さん、無理させないで大丈夫ですよ。飲み物飲んで落ち着くまで一緒に居てください」

とリンク脇で過ごしたりする。

休憩後には「もうあんな痛いこと怖いよ」と泣いている子もいた。


氷って冷たいし、痛いし、気持わかる。

私もそうだった。

なんて切ない気持ちになりながら、「何が怖いの?ママと一緒に行ってみよう」と声をかけ続けるママの気持ちもよく分かる。


スケート場に来ていつも思うのは、年配の男性がとんでもなくスケート上手で、マイスケート靴を背負って通っている人が多い。

その年代の方は、母いわく「昔はね、スケートって最上級の趣味だったのよ」らしい。

妹だったか、友人と遊びに来た時、靴紐が結べず困っていたところ、隣で靴を履いていた年配の男性が声をかけてくれ、丁寧に結んでくれたらしい。

また、今回のスケート教室もだけど、一般の方も使える時間になるととても混雑する。先生からはぐれてしまい、更にリンク上で転び動けずに居た子がいた。上級コースを滑る年配男性が初心者コースに速度を落としながら入り、その子を起こしてくれ、先生のもとまでその子の手を握り自分はバックで滑り続け連れてきてくれた。

サッと先生に引き渡し、「痛かったよね。ケガが無くて本当によかったよ」とだけ言うとあっという間にリンクに戻った。

親切で紳士的で、去り際までスマートで押しつけがましさが無いステキな方々が集うのだ。

スポーツ極めた人って、心までもカッコいいな。


たった3日間であっという間に上達した。

やっぱりプロがしっかりと教えると違うもんだなと感じた。

はじめが肝心だよね。

スケート痛いし、怖い。だけよりも、転んで痛かったけど楽しかった。のほうがいいに決まっている。

いい経験になっただろう。

冬休み中、連れてきてあげたいなぁ。