■「静修のヤマザクラ」の回復治療現地説明会
12月19日、天竜区春野町堀之内静修の「静修のヤマザクラ」の回復治療の現地説明会に行ってきました。
このヤマザクラは日清戦争の戦勝記念に植えられたものなので、樹齢は120年以上になります。
以来、地域のシンボルとして親しまれてきました。
上の写真のように今年の春も満開になりました。
(写真提供:NPO法人「天竜川・杣人の会」)
しかし、幹全体にコケが生えてきてしまっています。
これは、幹の成長が止まって、樹勢が衰えているからです。
さらに、鳥が運んできた種から生えたのか、他の木が生えてきてしまっています。
見た目には風情があるのですが、放って置くと、さらに木が衰えてしまいます。
このまま枯れてしまったら一大事ということで、(一財)浜松公園緑地協会が行っている「緑の募金事業『よみがえれ!わがまち守る巨樹・古木』事業」を活用して、「静修のヤマザクラ」の回復治療をすることになりました。
そして今日、樹木医の藤下章男先生による治療方法の説明会がありました。
まず、形を整えながら、枯れ枝を除去します。
サクラは切口から枯れ込んでしまうので、樹木専用の保護剤「キニヌール(成分:煤煙(スス)と樹脂)」を展着剤のアプローチに混ぜて塗って切口を塞ぐそうです。
コケは、ワイヤーブラシをつかって手作業で落とすそうです。
木の洞(きのうろ:木に空いた孔、空洞)は、ピートモスとボカシ肥料のブラドミン-L(有機100%ボカシペレット)を混合したものを空洞に詰め、防草シートで蓋をするそうです。
このように、回復治療をしても太い幹はいずれ枯れてしまうそうです。
ですので、それまでに胴吹きした新しい枝(上の写真の矢印)を姿良く育て、枝の世代交代を行って、サクラの延命をするそうです。
このような手入れを行う方を「桜守(サクラモリ)」と呼び、樹齢何百年と言われるサクラは、こうした「桜守」の方々が文字通りサクラを守り続けてきているからこそ生きているそうです。
ソメイヨシノも長生きできるのかもしれません。
以上 「静修のヤマザクラ」元気になるといいな!でした。 H.M.@Park