高濃度ダイオキシン浚渫除去 | C.S.C.Blog

高濃度ダイオキシン浚渫除去

田子の浦港で、1月25日から汚染土の除去作業が行われました。



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静岡新聞 平成23年1月26日朝刊より (静岡新聞社編集局調査部許諾済み)


この作業は、当社が受注した

「田子の浦港公害防止対策事業 高濃度ダイオキシン類無害化処理に伴う浚渫工法検討業務委託」

による浚渫計画に基づいて行われました。
場所は富士市和田川の河口部で、3600Ppg-TEQ/gという

全国的にみても極めて高濃度のダイオキシンを含む汚染土1,000立方メートルを

浚渫除去して無害化処理をします。


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浚渫位置と断面



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作業概要平面図


特に慎重に検討したのは、浚渫時の水質汚濁防止。

つまり周辺海域を汚染しないことでした。
浚渫箇所は感潮河川のため、干潮の時は川底が出てしまうほど水位変動があり、

水質汚濁防止には厳しい条件で、全国的に見てもあまり例がないようなケースです。



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干潮時


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満潮時


干潮時に丘になってしまうので、ユニフロート台船の上に浚渫船と掘削機・鉄箱を設置した土運船を使って、

潮の干満に対応できる作業船団にしました。



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作業船団


次に高濃度ダイオキシンを含む底質を、周囲に流出させて海域を汚染しないよう、

安全に浚渫を行うため、周辺水域と遮断した中で作業を行う工法を選びました。
まず、浚渫箇所には、水位の変化に連動する浮状式の汚濁防止枠を設置し、

次にこの外側に汚濁防止膜を二重に張る三段構えの工法を計画しました。
作業は上げ潮の二時間程度の短時間に制限し、

下げ潮までには汚濁防止枠の内側に発生した濁度を沈降させることにしました。
さらに、下流部では水質を監視して、汚濁の流出を感知するようにしました。


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汚濁防止枠・汚濁防止膜


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下流の水 工事による濁りはありません

土運船に積み込まれた土砂は、陸上機械で陸揚げし、貯泥槽に入れられます。

ここから密閉ダンプで中間処理施設に搬入され、濃度低下を図り、残量は溶融処理にて無害化します。


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陸揚げした土砂を密閉ダンプに積み込みます。



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中間処理施設




作業中の様子



土木設計部 SUZUKI