■都心未来創造会議 先進地視察研修会
去年の12月5日~6日の二日間に都心未来創造会議の先進地視察研修会で
京都と大阪に行ってきました。
浜松市中心市街地活性化協議会の方々と合同の研修会でした。
当時はまだ大丸の撤退の話は、発表されていませんでしたが、
浜松市の商業政策課さんが企画されたこの研修会には、
浜松市における中心市街地活性化対策のヒントがたくさんあったように思えます。
まず京都駅ビルを視察しました。
設計は国際コンペで選ばれた原広司氏。
乗降人員は約60万人/日だそうです。
ちなみに浜松駅は約4万人/日。
それでも最近の浜松の中心市街地の人の流れは駅ビルと遠鉄百貨店に集中してきています。
京町家は、京都の都心部を中心に多く建つ歴史的な木造建築物のことです。
京都の町並みの象徴ともいえるこの京町家が年々減少しているそうです。
やはり、古い家屋ですので、修繕費や耐震の不安などにより住み続けることが難しいそうです。
そこで、地元の不動産会社が中心となって、目ぼしい京町家を証券化して投資の公募を行い、
資金を集め、京町家をリノベーションし、販売を行ったそうです。
それにより、古い京町家が見事に再生し、京都の町並みに継承されることとなった訳です。
浜松市中心部においても、TMO(Town Management Organization)を設立し、
後継者がいない店舗や借り手がつかない物件等について、これらを証券化し、資金を集めると共に、
バラバラの物件をひとつにして、まとまった町づくりを行うなど、参考になる手法だと思いました。
錦市場は400年の歴史を持つ「京の台所」として賑わう小路です。
390mの通りの両側に125店の食料品のお店や飲食店が並んでいます。
京都ならではの漬物、佃煮、京野菜など品数が豊富でした。歩いているだけでも楽しいです。
1931年建造の京都市中央電話局をNTT都市開発が2001年にリニューアルし、
アパレル関連の店30店舗が並ぶ商業施設「新風館」をオープンさせました。
中庭にあるステージでは、毎日イベントが実施されているそうです。
京都の中心地より外れた立地でありながら、来館者は年間330万人以上とのことです。
魅力的な核施設があれば、新たな人の流れを作り出せる成功例です。
写真:着いた時には、既に夕暮れでクリスマスの電飾がきれいでした。
2日目は、大阪の都心である長堀・心斎橋・南船場地域の企業や商店約150団体で組織された
企業町会である「NPO長堀21世紀計画の会」のお話を聞きました。
会は1982年に「そごう」が中心となって発足し、イベントの開催や、まちづくりの整備計画を策定し、
行政に対し提案を行っているそうです。
現在は、大丸が中心となって活動をしています。
浜松市においても、このような組織を立ち上げ、市のグランドデザインを作って
民間組織が提案するのも面白そうです。
また、郊外のイオンやアピタおいては、もっと周辺店舗や企業と連携を図って、
地域・エリアとしての持続的な繁栄、共生を試みてもらいたいですね。
大丸心斎橋店も見てきました。
大丸は、1717年に呉服店として創業。現在の心斎橋店は昭和9年竣工だそうです。
浜松進出を断念した大丸ですが、その後、隣接する「そごう心斎橋本店」を買収しました・・・。
そこで、松菱跡をどうするかです。
立地的には、商店街の要の場所ですから、できれば新たな百貨店の進出がベストです。
が、この景気では難しいでしょう。
ならば商業以外の施設。
例えば、
・ 市役所が引っ越してきて、市役所跡地も含め、浜松城公園をセントラルパークとして再整備する。
・ 製造業のまち浜松として産業博物館を作る。スズキ、ヤマハ、ホンダ、ホトニクス等々・・・。
・ いっそ、有楽街の商店がそっくり引っ越してきて、有楽街店ビルにする。
ついでにビオラ田町も同様に周辺の商店街が入居。そして、空いた土地を市が買い取り、
浜松駅から浜松城までの緑道を整備し、公園都市を創る。
など、どうでしょうか。
とりあえず松菱旧館だけでも撤去してもらいたいものです。
と以上 研修会のご報告でした。 HM@Park