心境の変化
若い頃、田舎育ちの田舎暮らしが、本当に嫌でたまらなかった。まるで吉幾三の歌の世界であった。
家の近くには、デパートどころかスーパーもコンビニも無く、駄菓子屋と呼ばれる店があった程度だ。
生クリームケーキなんて高校生になってから初めて口にし、その時の気絶するほどの感動は今でも忘れない。小・中学校時代では、浜松の松菱デパートに行くといえば、友達みんなから羨ましがられ、まるで東京にでも行くかのように言われたものだった。
そんな田舎に対して最近、心境の変化があった。
今年から小学校に入学した長男は、田舎が大好きなのである。
山があり川があり、大好きなカブトムシ、クワガタムシは、都会では信じられないくらい木にへばりついている。
家の灯りを目指し網戸に体当たりして来る事もシバシバ。
四季折々の自然に触れることができ、近所の人が優しく声をかけてくれたりし子供の教育には、本当にいい環境だと見直している。
お菓子も玩具も金さえあれば何でも手に入る都会に比べ、手に入れることが本当に困難な田舎では、自然を食し、自然を玩具にして生きていける。
そんな田舎に本当に魅力を感じるようになった。
今の住まいからは、1時間で行けて遠くも無く、決して近くも無く、それでも環境が全く違う生まれ育った田舎を本当に見直し感謝している。
昨今の地球温暖化をはじめ心配なことだらけではあるが、生まれ育ったこの環境が守られていくことをただただ祈る。
本名(H I)