緩速ろ過の砂スキ取風景
2月23日地域水道支援センターのセミナーで、高崎市若田浄水場の緩速ろ過池砂スキトリ作業を見学しました。
灰色の表面スキ取られ、白っぽい砂が見えています。
スキ取った砂は背後の水色の機械群で水洗いして、再使用します。
(1)緩速ろ過砂スキ取り作業
作用用具は刃の幅約50cm高さ15cmの鋤簾。
これを一定の速度で手前にひいて砂の表面をスキ取ります。
スキ取り厚さは2~3センチ。
(2)スキ取り前後のろ過砂面
スキ取った砂は田んぼのウネ状にのこります。
これをベルコンで池外のダンプトラックに積み込み、洗砂機まで運搬します。
(3)人力+ベルコンによる砂積み込み
洗砂機群は受入ホッパー、水サイクロン、散水振動フルイで構成されます。
洗った砂は貯砂場に貯蔵。少なくなったろ過砂に補うために使われます。
砂は乾くと汚れが取れないから、スキ取った直後、ぬれている間に洗います。
(4)散水振動フルイ
スキ取りの終わった緩速ろ過池は、水を張って、ろ過行程に戻されます。
(5)使用中のろ過池
若田浄水場には水道博物館があり、工事写真や創業当時のパイプ、流量計など貴重なものが保存されています。
見学は申し込めば自由に出来るようです。曜日と時間の制限はあります。
高崎市の緩速ろ過はこのほか、剣崎浄水場があり普段は無人運転されています。
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CSCと緩速ろ過
私たちCSCが設計した緩速ろ過は、上水道事業では蒲原町第二水源(現静岡市)があります。
簡易水道でも意外と少なく、川根本町の田野口簡易水道くらいです。
ほとんどが急速ろ過方式の浄水場です。
以前大間浄水場に上向性緩速ろ過をつくりましたが、現在は急速ろ過に改修されています。
また、旧天竜市横川にも緩速ろ過を採用しましたが、現在は統合により、廃止されています。
山間地の飲料水供給施設では、緩速ろ過を使用することが多いのですが、
人口減少によって、水道施設の維持そのものが困難になってきています。
これらについては水道や経済という面だけでなく、現にある問題とその解決、さらにはその後どうするなど、
視点や立場をかえて、もう一度見て考えておく必要があるのとおもっています。
川根本町営業所 中田