謎解きの中のなぞ
「ダ・ヴィンチ・コード」観ました?読みました?
モナリザの微笑みの中にも最後の晩餐の中にもたくさんの謎があるけれど、
謎解きの道具として「フィボナッチ数列」というものが出てくる。
そして数列や数式の中にもこれまた多くの謎解きの歴史がある。
「フェルマーの最終定理」というものをご存知だろうか。
『nが2より大きい自然数であればXn+Yn=Znを満たす、自然数X、Y、Zは存在しない』。
このnに2を入れてみると、途端に馴染み深い定理になる。
そう、あの有名な誰でも知っている「ピタゴラスの定理」である。
この定理の謎解きのおもしろさは「ない」ことを証明する点。
我々は、いろいろな場面でいろいろな証明をする状況に遭遇することがある。
この証明するという中にはその対象によって「ある」ことの証明の場合、「ない」ことの証明の場合があるが、
証明の大多数は「ある」ことの証明であろう(身近な中にはアリバイという「ない」ことの証明も時にはあるが)。
科学技術の世界で証明してきたことは常に「ある」ことの証明であり、
そしてそれらは数十年のオーダーでできることを世に見せてきた。
ところで「フェルマーの最終定理」、証明するのに実に350年という歳月を費やしたということである。
そしてこの定理の特徴である「ない」ことの証明、この無限に存在する事象に対して
「ない」ことが真である証明をすることの難しさ。
「ある」ことの証明は、できたこと、存在することをひとつでも見せれば良いが、
「ない」ことの証明は反証としての「ある」ことの存在をすべて否定する証明をしなければならないことである。
ここで思い出すのはちょっと古い話であるが小泉首相のイラク問題における発言と、
それに対して野党が追及しきれなかったあの状況である。
小泉首相の「見つかっていないから存在しないのか」に対して反証を示せなかった野党の構図からも
「ない」ことの証明の難しさの1例と見ることができる。
また、「フェルマーの最終定理」と似たものに
「オイラー予想『X4+Y4+Z4=W4 これが成立する自然数の解は存在しない』」というものであるが、
こちらは予想の発表から200年後の1988年にこれを成立させる解が見つかったことによって
予想が間違いであった証明がなされたという、「ある」ことが反証の1例と見ることができる。
そこでなぞなぞ好きの方に米国のクレイ数学研究所が賞金を懸けている「21世紀の7大難問」を紹介しておく。
1.P=NP問題
2.Hodge予想
3.Poincare予想
4.Rieman予想
5.Yang-Mills方程式の厳密解
6.Navier-Stokes方程式の厳密解
7.Brich and Swinnerton-Dyer予想。
この中で2004年、「3.Poincare予想」が解決されているが、これも出題から100年目であった。
Detective I.