前回は足関節捻挫の基礎知識をご紹介させて頂きました。

http://ameblo.jp/csc-lab2015/entry-12182506145.html

今回はどんな動作で受傷するのか?どんな人が捻挫しやすいのか?ご紹介させて頂きます!!

 

●どんな動作で受傷するのか

 

まず、内反捻挫の受傷機序を分析してみましょう。内反捻挫は主にストップ動作、サイドステップ、ジャンプ着地、踵部でものを踏みつける(相手の足を踏む)、段差などからの転落時などで起こっています。受傷しやすいスポーツとしては、バスケット、バレー、サッカー、テニス、柔道など様々なスポーツで起きる傷害と言っていいでしょう。

図1は内反捻挫の受傷機序です。解説すると、足関節が内反(外側に捻るような動き)方向に動き、足底の内側が浮いてしまっています。また、膝と体幹は外側へと傾いており、重心が外側方向へと移動している状態となります。この外側方向への傾きが足関節捻挫内反(外側に捻るような動き)を助長します。

次に外反捻挫の受傷機序について分析してみましょう。

図2を見てみると、Knee-in Toe-out(膝が内側に入り、足関節は外側に向いている状態)しています。外反捻挫は圧倒的に接触などの外傷性の受傷機序が多いですが、非接触型での受傷は、バスケのカットインや、サッカーでの無理な姿勢でのセンタリングやパスを行うと生じます。身体的な特徴として、股関節の大殿筋などの機能不全(

(筋肉をうまく使えていない状態) や、ハムストリングス、後脛骨筋などの筋力低下が生じていることで起きやすいです。

特に足関節の内側縦アーチの低下を生じることで、Knee-inToe-outを招いているケースが少なくありません。

図1

図2

●どんな人がなりやすい?

 

 足関節内反捻挫になりやすい人は、ストップ動作や、サイドステップなどで身体の外側、後方への動作に対し、自らの身体の重心をコントロールできていない状態です。

スポーツでは外側方向への身体重心の移動が多く、上の図1のように身体が傾くことで捻挫の発生率は上昇します。なりやすい身体的特徴としては、大殿筋や中殿筋(お尻の筋肉)の筋力の低下や機能不全(筋肉が上手く使えていない状態)により、外側方向へのストップ動作が十分でないことや、腓骨筋の筋力低下によって、足首の内反を防ぐことができない状態となっています。上の図では、足首が床面に対して浮いている状態が内反という動きですが、腓骨筋の筋力の低下によってこの状態になりやすくなります。また、内反捻挫では足関節の背屈(足首が上に向く)の可動域(動く範囲)が低下している場合に、下腿(すね)が足関節に対して前傾(前に傾くこと)せず、後方重心になりやすいという特徴があります。しゃがみ込み検査や片脚立ち検査で確認してみましょう。

 内反捻挫は、足首の筋力の低下だけでなく、股関節や体幹の筋力が低下することによって引き起こされてしまうということを知っておきましょう。

 足関節外反捻挫になりやすい人は、内反捻挫と同様に、殿筋群の筋力低下が生じていることが多いです。また、外反捻挫で特徴的なのはKnee-inToe-outです。股関節の筋力低下と、ハムストリングスなどの膝関節、足部内側縦アーチの低下が生じている場合が多く、

Knee-inToe-outの姿勢を生じさせます。

足部には外側縦アーチ、内側縦アーチ、横アーチといったアーチ構造があります。このアーチがしっかり働いていることで、身体に対する衝撃を吸収しています。外反捻挫ではこの中の内側縦アーチが低下してしまうことで、上の図2のような足関節の外反という動作を引き起こしやすくなります。後脛骨筋と呼ばれる筋肉がアーチを形成してくれています。上の図2の足首に注目すると、足のアーチが消えてしまい、床に対して「ベタっ」としています。このような足関節の姿勢になると膝関節が内側に入りやすくなり、重心が内側へと偏っていき、足の外反捻挫を発生させやすくなります。

 

次回は捻挫を起こしやすい身体状況ではないか、セルフチェックポイントをご紹介させて頂きます!

 

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