今回はスポーツマッサージについてご説明させて頂きます!

 

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~スポーツマッサージについて~

 

スポーツマッサージとは、コンディショニングのひとつに位置づけられます。また、スポーツ現場で行われるマッサージのことであり、特別な手技があるわけではなく、基本的なマッサージの手技を応用して使用しているもとなります。基本的な手技には①軽擦法(なでる)・②揉捏法(揉み捏ねる)・③圧迫法(指圧)・④叩打法(たたく)・⑤振せん法(ふるわす)の5つがあります。

 

~スポーツマッサージの効果~

 

①マッサージによってその部位の血行が良くなることで、その組織に必要な酸素や栄養素が血液によって運ばれてきます。その結果、筋疲労の回復を促す効果や運動機能の維持・向上を図ることができます。また、マッサージ部位の血行が良くなることで血管の抵抗も緩み、心臓の負担も軽くなり、全身の血液循環も良くなる効果があります。

②マッサージの手技の応用により、筋肉のスイッチをONにすることと、OFFにすることができます。ONとは、筋肉が興奮状態(運動ができる状態)のことであり、軽擦法・軽くテンポの速い揉捏法を短時間施行する事で筋疲労などにより働きの悪くなった筋肉の神経・筋の興奮性を高め、機能を増進させられます。OFFとは、筋肉が鎮静状態(運動後に落ち着かせる状態)のことであり、運動後の筋疲労や痛みに対してテンポのゆっくりとした軽擦法・やや強めの揉捏法・さらには圧痛点には持続的な圧迫法によって興奮状態の筋を鎮静させることができます。

 

~スポーツマッサージを行う際の注意点~

 

マッサージを行う際の注意点としては、出来るだけリラックスした姿勢(基本的には寝てもらう)で行うことです。また、マッサージを行う強さは強ければいいものではなく、相手に強さを確認しながら翌日まで痛みや不快感が残らない程度を心掛けることも大切です。時間は部分的なものであれば5~15分、全身ならば30~45分が目安ですが、しっかりやるよりも“やや物足りない程度”におさめることで揉み返しを防ぐ事ができます。基本的には外傷(捻挫・肉離れ・打撲など)直後はその組織に炎症が生じており、マッサージによってより炎症を強める可能性があるため、行うべきではありません。また、マッサージ後にストレッチをその筋肉に行うとより効果的に疲労改善させることができます。

 

~スポーツマッサージの現状~

 

現場では“コンディショニング=マッサージ”のみという誤解が生じていることが多々あり、とにかく疲れたらマッサージをするorしてもらうという風潮があります。その反面、コンディショニングのその他に位置づけられるウォーミングアップ・クーリングダウン・ストレッチング・筋力トレーニングなどを怠る傾向があるのが実際です。短絡的にマッサージのみを疲労回復手段とするのではなく、自分自身の身体のどこが疲労しやすいのか?なぜそこが疲労するのかを考え、ウォーミングアップやクーリングダウン、ストレッチングや筋力トレーニングなどで疲労しにくい身体づくりを心がけたり、疲労回復を促す工夫をしたりすることが大切です。つまりはスポーツマッサージにのみ依存するのではなく、様々な方法を上手く活用しながら、効果的に疲労回復を行い、スポーツ障害を予防してもらうことが重要だと考えます。

  

~時期による目的の違い~

 

①運動前

ウォーミングアップの補助として、そのスポーツで特に使用することが多い場所などに対して短い時間(35分程度)行います。手技としては軽擦法・軽い揉捏法・振せん法などをストレッチと組み合わせながら使用します。1日に複数回競技が行われる場合などは、その都度ウォーミングアップで消費されるエネルギーを節約するために初回のウォーミングアップ後はスポーツマッサージで代用する方法もあります。

 

②運動中

運動中に問題となるのは筋痙攣ですが、筋痙攣時にはまずその筋肉をストレッチし、痙攣がおさまり次第軽く軽擦法から軽く揉捏法を短時間行って競技に復帰させます。また、陸上競技などで競技実施中の待ち時間を利用して痙攣などが予想される筋肉に対して軽く軽擦法やストレッチを行っておくことも大切です。

 

③運動後

練習や試合による疲労を少しでも軽減させる目的で行います。この時期に行うのが一般的でしょうし、スポーツ障害を予防するためにもケアを行うことは大切です。局所的には特に疲労した部位を重点的に行い、精神的なリフレッシュ目的も兼ねて全身的に2030分間マッサージを行うこともあります。どちらも入浴後に行うとより効果的です。しかし、特定の関節に痛みや腫れ、熱感がある部位にはアイシング実施後に行うことが必要です。

 

~スポーツマッサージを行うための判断方法~

 

主観的に疲労した部位・練習や試合などで多く使用した部位に対してスポーツマッサージを行うのが一般的ですが、時間は限られているためポイントを限局する必要があります。その疲労している部位を判断する方法として、関節の可動域の低下が生じていないかチェックする方法があります。筋疲労が起こると、筋肉の柔軟性が低下し、パフォーマンスが低下するだけではなく、スポーツ障害を招く可能性があります。そのため、関節の可動域を日々チェックしておく必要があります。可動域が低下していれば疲労が蓄積していることがわかり、パフォーマンス低下の有無の判断も行えます。つまり、それはスポーツ障害を未然に防ぐことにもつながります。

 

以下に可動域のチェック方法とセルフマッサージ方法を紹介します。基本的にはセルフマッサージには硬式のテニスボールを使用しますが、他には軟式野球ボール・ソフトボールなども適しています(ゴルフボールは足底のみなど部分的には使用)

 

肩の後面の柔軟性チェック&マッサージ方法

⇒図の様に肩を捻じります(青矢印の方向へ)。70°程度が正常です

 

⇒マッサージする部位(赤枠)

 

⇒図の様に肩の後方にボールを置き、身体を左右に動かします

 

腰の柔軟性チェック&マッサージ方法

⇒図の様にして身体を曲げます(青矢印方向)。赤枠に伸張感を感じ、膝が床に着くのが正常です

⇒腰のマッサージ部位です

⇒腰にボールを置き、指圧するように身体を左右に動かします

 

殿部の柔軟性チェック&マッサージ方法

⇒図の様に膝を抱え、脚を胸に近づけます。図では右膝が胸に着くのが正常です。赤枠に伸張感を感じれば正解です。

⇒殿部のマッサージ部位

⇒殿部にボールを置き、身体を前後に動かします

 

腸脛靭帯(太腿の外側)の柔軟性チェック&マッサージ方法

⇒図の様な姿勢で、赤矢印の方向に腰を動かします。図では左太腿の外側に伸張感を感じられれば正解です。

⇒腸脛靭帯のマッサージ部位

⇒マッサージ方法は2種類あります。 左の図の方が強力に行えます。痛みが強い方は右側の方法で行って下さい。

 

腸腰筋(鼡径部)の柔軟性チェック&マッサージ方法

⇒図の様な姿勢から青矢印方向へ上半身を動かし、股関節より下側が赤矢印方向へ伸張されるのが正解です。

腸腰筋のマッサージ部位

⇒図の様にうつ伏せになって鼡径部にボールを置きます。この部位は身体は動かさずに体重のみかけます。

 

大腿四頭筋(太腿の前面)の柔軟性チェック&マッサージ方法

⇒図の様な姿勢で青矢印の方向へ身体を動かします。踵が殿部に着いた状態で図の程度伸張できるのが正解です。

⇒大腿四頭筋のマッサージ部位

⇒図の様にボールを置き、膝を曲げ伸ばししてマッサージします

 

ハムストリングス(太腿の後面)の柔軟性チェック&マッサージ方法

⇒図の様な姿勢から、左脚が浮かないようにして、右脚を持ち上げます。70°程度持ち上げられれば正解です。

⇒ハムストリングスのマッサージ部位

⇒図の様にボールを置き、身体を左右に動かします

下腿三頭筋(ふくらはぎ)の柔軟性チェック&マッサージ方法

⇒図の様にして足首を反らします。直角より10~15°程度反れれば正解です。

⇒下腿三頭筋のマッサージ部位

⇒図の様にボールを置き、身体を前後に動かします

足底腱膜(足の裏)の柔軟性チェック&マッサージ方法

⇒図の様に直角近くまで趾が反れれば正解です

⇒足底腱膜のマッサージ部位

⇒図の様にボールを置き、足を前後に動かします

 

いかがでしたでしょうか?

柔軟性を日々チェックし、特に疲労が蓄積されやすい部位にはマッサージ後にストレッチを行い、スポーツ障害を予防しましょう!!