■テニス肘になる原因
テニス肘は一度のストロークにて起こる事は少なく、度重なるストローク動作によって前腕伸筋群や全身の筋疲労が起こり、柔軟性低下が生じ、徐々に症状が出現することが大半と言えるでしょう。また、初心者に多いことですが、フォームが未熟であり、テニス肘になりやすいフォームのままプレーをしている可能性もあります。
以下にテニス肘になりやすいフォームについて説明させて頂きます。
■フォアハンドストローク
フォアハンドストローク動作時に手に対して肘が先行してしまうことで手首は背屈しやすくなります。いわゆる“手打ち”のフォームのことを指します。その手首の背屈位からボールインパクト時に起こる急激な掌屈と回内運動が短橈側手根伸筋の過活動を引き起こします。それは、短橈側手根伸筋が掌屈・回内時に手関節の安定化作用のために働くからです。
では手打ちになってしまう原因ですが、大きく分けて3つの原因が考えられます。1つ目は、体幹や骨盤の回旋するための柔軟性が低下している場合に起こります(右打ちなら左側への回旋)。フォアハンドストロークの際に体幹―骨盤の回旋量が少ないと腕は前に振れません。その代償として肘を先行させて回旋量を補ってしまっていることがあります。
2つ目は、軸足(右打ちならば右足)の安定性が低下している場合に起こります。それは、テイクバック時に身体を支えられず、通常より早期に踏み込み脚に荷重をすることで身体が開いてしまい、インパクト時の体幹の回旋量が低下することで肘先行が起こります。
3つ目は、2つ目に続いて踏み込み脚の安定性も低下している場合に起こります。踏み込み脚の安定性の低下により、荷重時に前へ移動しようとする骨盤を止められずに骨盤が左側へ偏位(右打ちの場合)してしまいます。その結果、骨盤の回旋が上手く行えないばかりか、インパクト時にボールと身体の位置が近くなることで最も危険なフォームとなります。
■バックハンドストローク
バックハンドストローク動作時にインパクトが身体の近くとなり、手首が回内・掌屈位になることで短橈側手根伸筋は引き伸ばされます。このフォームは初心者に多いフォームです。引き伸ばされた状態で筋肉が働くという状態(=遠心性収縮)は筋肉の活動の中でも一番負担がかかります。理想的なフォームはインパクト時に骨盤が身体の中心かやや踏み込み側にある程度であり、フォロースル―にて正面に身体が向く程度体幹が回旋する状態です。インパクト時に打点が後方になる原因は、体幹―骨盤の回旋量不足により上半身に頼ったフォームになる場合と、下半身の安定性低下による骨盤の偏位によって打点が後方になることが挙げられます。
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