運動を行うと筋肉は疲労し、硬くなります。疲労し柔軟性の低下した筋肉はパフォーマンスの低下を起こすだけではなく、スポーツ外傷・障害の原因にもなりえます。筋疲労の回復を少しでも早めるためには運動後のケアはとても重要です。

 そんな筋疲労に対して皆様はセルフケアとしてどのような方法をとっているでしょうか。運動後にストレッチや軽いジョギング、入浴などが一般的でしょうか。

 筋疲労の回復を早めるケア方法として、今回は代表的な入浴方法の1つである『交代浴』について基礎的な効果や方法を説明させて頂きます。


お風呂





 『交代浴』は温水と冷水の浴槽を準備して、交互に入浴する方法です。温水による「血管の拡張」と冷水による「血管の収縮」が交互に行われることで身体の末梢の血液循環を良くする効果があります。末梢の循環が良くなることで疲労物質の軽減や筋の緊張状態が緩和されます。この効果は単純に温水に入浴するよりも高く、「身体が軽く感じる」「身体がポカポカする」などと感じられることと思います。逆に42℃以上の高温の温水のみに浸かるのはエネルギーを消費し、疲労回復ではなく疲労してしまう恐れもあります。



『交代浴』の方法としては、温水1~2分・氷を使用した冷水1~2分を交互に3~5セット繰り返します。温水は38℃~42℃、冷水は8℃~15℃に設定します。行うタイミングですが、運動後すぐに実施するのが望ましいです




『交代浴』を実施するにあたり、2つの浴槽や氷の準備のために手間がかかり、シャワーを代用している方も多いと思われます。しかし、冷水シャワーを代用することは厳密にいえば通常の冷水浴よりも効果は劣ります。それは、静水圧(せいすいあつ)の有無です。静水圧とは水に浸かると水圧が身体にかかり、その結果血液やリンパなどの循環が良くなるため、交代浴の効果が高まるのです。

 場所や氷の準備の必要性などもあるため、通常の交代浴よりは効果は劣りますが行わないよりは効果はあるので、日常はこの方法で行い、特に疲労が強くなるような運動を行った際にはしっかりと氷を使用した冷水を用意してケアすることを推奨します。



 『交代浴』は血液の循環を良くするために血圧の上昇が起こります。そのため体への負担が大きく、高血圧や心臓・循環器系に疾患をお持ちの方は十分注意して下さい。温度差に敏感な方も同様です。そのような方々は半身浴をお薦めします。半身浴は副交感神経を優位に活動させ、リラックスの効果があります。運動を行っていない日に取り入れてもいいかもしれません。方法は、みぞおち程度までの水位に1015分程度浸かりましょう。温度は高温ではなく、38℃~41℃までが適します。入浴前には十分な水分補給を行いましょう。

 また、捻挫や打撲などの急性期(怪我をしたばかり)においては逆に炎症を強める危険性があるため行わないようにし、RICE処置を行って下さい。



最後までお読み頂きありがとうございました。

運動後にケアを行っていない方は実は多いということを実感します。しかし、スポーツを楽しむためにも自分の身体の疲労について目を向けるのも大切なことだと思います。入浴は一般的なことのため、是非その際には『交代浴』を運動後に取り入れてみて下さい!






 



画像は部分浴(=特に疲労している部位のみ行う交代浴)の冷水の見本です。温水の浴槽も用意します。



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