実家に対して「絶縁宣言」をしてから3ヶ月ほどが経過した。
あの家との関わりを持たなくなってから1年が経ったけど、それ以来気分が安定気味になっている。
思えば私は子供のころから母親との仲は良いとは言えなかった、何かにつけて「お母さんにみたいにはなりたくない」が口癖だった。
相手は底抜けのバカなのか?そんな事を忘れていたようで、もしかしたら「ピーナッツ母娘」的なものに憧れていたのかもしれない…私としてはそんなもの願い下げだけど。
私があの人と絶縁しようと思ったきっかけは本当に些細な出来事であった。
しかし、その出来事があった瞬間…私の中で何かが切れるような音がした。
その時「この人とはもうダメだ」と思った、これまで私はあの人に対して無理に合わせていたところがあったのかもしれない…いや、無理に合わせていたのだろう。
根本的な価値観だけでなく、生来の相性も良くない人と数十年もともに生きてきたことが今思うと想像を絶するほどに危険な行為だと思う。
普通は離れて暮らすと親のありがたみがわかるようになると言うそうだけど、私にはそれがわからなった。
むしろ、離れた事で私を拘束する「何か」から解放された気分がした。
私を苦しめていたのはあの人だけでなく世間の「母娘は仲良しが当然」という風潮もあったと思う…それと、何かにつけてあの人が口出しをしてくるのが嫌だった。
例えば、成人式…私は自作ドレスを着ると決めていたのに半ば無理やり振袖を押し付けるように購入した。
私は1度しか着ない事が確定している事、動物愛護の観点から「あの毛皮(羽毛)」も嫌だったのだ、何度も「ドレスを着るから着物はいらない」と言ったにもかかわらず「自分が着られなかった」とか理由を付けて押し付けてきたのだ。
本当は七五三の時も洋服(ドレス)が着たかったのに勝手に着物を押し付けられ、髪型やメイクも今風のかわいい&ナチュラルな感じではなく「ものすごい変な髪形と舞台化粧並みの濃いメイク」をされて正直今もトラウマになっている。
自分が着られなかったのなら今からでも自分で着ればいいものを…しかも、実際に着たら着たで「地味」だの「歩き方がおかしい」だのダメ出しの嵐。
私は体型からして和服向きではないのだ…それを解った上での行動であるならこの女は相当意地が悪い。
結婚式のドレスを選ぶ時も口出ししてきたな…私は海外のドレスみたいなシンプルでスレンダーなデザインの物が好みなのに、ボリューミーだったりゴテゴテ装飾の付いたものを推してくる。
結局この時は1人で試着に行き、自分の着たいものを選んできました。
最近流行の「盛り髪&派手メイク」はどうも下品に感じて、シンプルなまとめ髪と美容室の人の勧めで「あまり印象を変えない方がいい」という提案により極限までナチュラルなメイクにしてもらったのに対してもまた「なんで地味なの?」とまた嫌味。
唯一の救いは「和装を押し付けてこなかったこと」ぐらいだろうか…私は基本着物が嫌いだし、和装の意味合いも何昔も前の男尊女卑思想で私の価値観とは全く合わないのだ。
結局、あの人とは好みが真逆の位置にあるのだ…しかし、そこで親孝行などと言われ相手の好みにしたらまた嫌味やダメ出しの嵐になるし私自身もとても不快な思いをするのは明らか。
話を戻すと「母娘は仲が良いのが当たり前で価値観や考え方が違うのは異質でおかしい」という風潮が嫌なのだ。
でも、私はそのような幻想から抜け出しつつある。
この記事 にも書いたが、母親との関係に悩む当事者は少なくない…母娘は仲良しが当たり前、それは母性愛神話同様社会が作り出した幻像であり絶対的なものではないのだ。
仲が悪くてもいいし、私のように絶縁しても構わない…世間の風潮に無理に合わせる必要は無いのだ。
ピーナッツ母娘の殻は「本人の強い意志」があれば割れるのかもしれない。
