若い世代の人の仕事の悩みの中に多いのは「効率よく仕事ができない」という悩み。
「効率よく」といっても色々ありますが、特に多いのは「時間内に仕事をしっかり終わらせることができない」という悩みです。
本人は手を抜いたりしているわけでも、サボっているわけでもありません。
しかしどうしても、時間内にその日の仕事を終えることができず自分でもどうしてよいかわからなくなってるのです。
上司は「段取りを組みなさい」とか「もっと時間管理をするように」とアドバイスをしていますが、その「方法がわからない」ので上司のアドバイスも無意味なものになってしまっています。
上司から見れば「なにをやっているんだ?」というような事に時間を割いているケースが多く手際の悪さや準備不足などが目についてしまいます。
このような場合、「段取りを考えなさい」という言葉では考えられないのです。
本人は考えているつもりですから、同じ習慣を繰り返すだけで改善は生まれてきません。
時間管理ができない部下への効果的な指導法はいくつかありますが
今日はその中でもまずはじめにするべき指導法を書いてみます。
【時間感覚を体感させる】
時間管理ができない部下の場合、多くは自分のいましている業務に対して、自分がどれくらいの時間で出来るのかを分かっていません。
例えば、見積を作ってお客様へメールで送り電話確認する。という作業があったとします。
時間管理ができない部下は、まず「見積作成」に自分がどれくらいの時間を要するのか理解していないので曖昧な時間管理をするのです。30分で作成してメールをして電話を入れたらいいか。という感覚です。しかし見積は意外にも手間取り1時間経過する、または途中で何か別の仕事が入り段取りが狂うなどが発生し、できなくなっているのです。
まず、明日一日でやるべき内容を書き出させてみてください。
そして15分単位で一日のスケジュールを組ませます。
ここで大事なのは1時間単位や30分単位にさせないことです。必ず15分単位にして翌日のスケジュールを書かせます。
そして明日必ずしなければならない優先順位を書かせてみます。
翌日は実際に書いたスケジュール通りに仕事をしてもらってください。
ただ、計画したひとつひとつの業務時間と実際に行動した時間にズレがないかを昨日書かせたスケジュールに書き込ませます。
10分オーバーしたら+10と書くのです。10分早く終われば-10と書かせてください。
これを実施することで実は自分がアタマの中で考えていた時間管理とのズレが明らかに出てきます。3社に電話をするという作業に1件5分の15分と想定していた場合でも、実際には45分かかったというケースも非常に多いのです。
部下がいままで自己管理していた自分の仕事時間。
実はそこに落とし穴があり時間効率が悪くなっているのです。
そこを知らずにいくらアタマの中で「時間管理しよう」と努力しても自分を知らない限りは改善に繋がりません。
そのために業務ひとつにかかる時間を一度しっかり知る時間を作らせるのです。
毎日すればもちろんいいですが一度上司が見ながらさせてみると「気づき」を得ます。
資料を調べるのに意外と多くの時間がかかっているのであれば、それは資料を普段からまとめるなどの改善が必要になり仕事をするうえで何が自分に必要かも理解できます。
1時間や30分という大枠で考えるのではなく15分単位で仕事をする時間を考えると仕事のスピードが変わるだけではなく自分が15分でできる内容を知ることができるのです。
「時間管理しなさい」ではなく「自分がひとつの仕事に何分かかるのかを知る」こと。
これを実施すると多くの人は
「ここにこれだけの時間がかかっていたんだ」と驚きます。
「やってみて初めてわかった」という人が大半です。
この「気づき」から次へのステップに繋がります。
「管理しなさい」「段取りよくしなさい」「優先順位を決めてやりなさい」もちろん正しいことです。しかしそれが理解できていれば、きっと上司に言われなくてもできているはずなのです。
どうすれば時間管理できるようになるのか。
そのための一歩は「自分の仕事におけるスピードを知る」ことが先決ですね。
ある企業では、社員全員にこの研修を受けていただきました。
すると翌日から会社の動きが早くなり、全員が時間を意識するようになりました。効率の良さとは「効率よくしなさい」ではなく「時間を知る・時間を体感する」ことが一番の効率に繋がります。
これだけでも、かなり効果がありますので、ぜひ取り入れてみてください。