やる気のない部下をやる気にさせたい | チーム力+人間力を育む 組織人材育成コンサルタント 安澤輝香

チーム力+人間力を育む 組織人材育成コンサルタント 安澤輝香

京都・組織人材育成シーエスリレーション代表ブログ。

やる気のない部下をどうしたらやる気にすることができますか?と、疲れきった感じで相談されることがあります。

聞いてみると「とにかくやる気が感じられないんです」と言う。

でも、私が思うのは、やる気がないという判断は何が原因でそう感じる?ということなんです。

もちろん話しを詳しく聞くと「言われたことしかしない」「単純なミスを繰り返す」「注意されても反発して改善しない」「なんでもかんでも聞いてきて自分で考えない」などいろいろな話しが出てきます。

なるほど。だから「やる気がない」と判断するのか・・・。
ではやる気がある部下とはどんな部下?と質問すると「積極的に行動する」「言われる前にやる」「聞く前に自分で調べている」「何でもトライしようとする」「明るく率先して行動している」など、こちらも多く出てきます。

やる気のある部下と、やる気のない部下。
行動の印象でやる気を感じる人もいれば結果で判断する人もいますよね。
やる気がない部下は「わからない」が重なってやる気がない、になっている傾向が強いのです。

やる気にさせる、というのは
「頑張ろう!」とか「頑張れ!」という抽象的な励ましでさせるわけではありません。また同時に部下全員が「やる気に満ちた人」ばかりの会社っていうのも、ほとんど無いですよね。

それは、やる気を表に出す人も入れば、出さない人もいるからです。
要領のよい人もいれば、要領の悪い人もいて当然ではないでしょうか。

やる気がない「印象」というものに左右されてはいけません。
本当のやる気とは上手く立ち居振る舞いをする人のことではないからです。
リーダーは自分の物差しや感情で相手を判断してはいけませんよね。

やる気に見えない部下をやる気にさせる、という「させる」という言葉自体のセレクトも若干間違いがあります。
やる気とは本人が出すもので、誰かから言われて出すものではないからです。

では、自らやる気になってもらうにはどうすればいいのでしょうか。

まず人は、小さなチャレンジをする時に成長し遣り甲斐を感じます。
よくリーダーは「あの子にはそれは無理だから」とチャレンジさせず、できる仕事を与えているケースが多いのです。しかしそれでは成長できませんよね。
知らないことやちょっと調べたり勉強したり人に聞いたりしながらでなければ、できないような仕事をする時に、人は少し成長します。

できる仕事ばかりを与えていて「やる気がない」というのは間違いです。
やる気は「遣り甲斐」を感じる時や「自分が成長している」と感じるとき、そして「自分が誰かの何かの役に立っている」と感じた時に出るものです。

どれほどポジティブな人でも、同じことの繰り返しや、今回のように「やる気がない」とレッテルを貼られている状態では「やる気」にはなれないものです。

人は認められ、自分が存在することに対して価値を感じてもらってこそ、やる気がでるのです。

部下をやる気にさせたいのであれば小さなチャレンジと期待を与えることです。
そして「できている?」と声をかけるのではなく「わからないことがあったら相談してきていいよ」と最初に言っておくことです。

相談してきたらポイントでしっかりと教える。
不安がっていたら「大丈夫」「頑張れ」「できるよ」ではなく「どこが不安に感じる?」と不安要素を聞き出して、そこに対して「どうすれば不安は消えると思う?」と質問すれば自分で解決方法を言ってきます。

そこに対してアドバイスをすれば、また自力で前に進んでいくのです。

そして、できて当たり前ではなく、できたらほめることも大事です。
「よくできたね」ではなく「○○さんは、ここがとてもよくできている」とほめる時もポイントでしっかりとほめることです。

やる気がない、と決めつけるよりチャレンジさせる。
些細なことでもいいのです。小さなことにトライするチャンスと存在価値を感じる仕事の仕方を教えることが先決です。

何を言っても、動かないような部下であればそれはそれで問題ですが、その場合は仕事と言う点で自社の基準に達していないことを明確に伝えることも大切ですね。
ここまでできるようになってください。と具体的に出すことです。

仕事のやっている、できているの基準は周囲の判断や個人の判断に頼りがちですが実際は会社における基準があるはずです。それをリーダーがしっかりと出してあげることで「ここまでやって、できるになるんだ」という指標が生まれるのでリーダー自身も部下に対して「ここはできているから、次はここをできるように」と具体的な指導が出来ますよね。

そして部下も自分がすべきことがわかる。

やる気はちいさなきっかけから生まれてきます。
どこまでが達成地点かをクリアできるように、指標を出して、小さなチャレンジの繰り返しにより多くは、やる気を見いだしていきます。