返事をしない新人に苛立つ上司 | チーム力+人間力を育む 組織人材育成コンサルタント 安澤輝香

チーム力+人間力を育む 組織人材育成コンサルタント 安澤輝香

京都・組織人材育成シーエスリレーション代表ブログ。

管理職の方や新人教育担当の方からの話しでよくあるのが
「最近の子は返事をしない」という相談です。

「返事をしなさい」と言っても「はい」とその場では言うが継続できない。
実は学校教育でもこの「返事」「挨拶」ができない子が多いと問題になっています。

新人教育係の先輩社員たちも困っていることは多く
叱ればフテる。自分だけ注意されていると悲観的になるなど扱いには相当困惑しています。

かと言って「黙認」すると、どんどん会社という組織の在り方をナメてしまうので困ったものなんです・・・という相談が本当に多いのです。

返事をするというのは子どもの頃から言われていることですよね。
でも最近は返事をするしないに関わらず親が何でもしてしまう傾向にあり、「わかっているから返事をしない」「呼ばれて来たんだから返事は不要」という思考があるのも事実です。

呼ばれて「はい」とは言わず、黙って先輩のところへ行く。
「返事しようね」と言っても「しましたよ」と言う
聞こえてなければ返事をしていないも同然なのですが(笑)

そんなときに皆さんがよくされているのが
「返事しようね~」と明るく言ったり「返事してくれたと思うけれど周りもうるさいから次からはもう少し大きい声で返事して」など様々な工夫をされて注意をされています。

印象的なのは「厳しく言わない」という傾向です。
そこには理由があり「厳しく言うと泣く」「ちょっとしたことで辞めてしまう」というリアルな現実があるからなのです。

先日も「返事くらいしなさい!!」と堪忍袋の緒がキレて注意をした上司。
言われた人は入社1年目、といっても半年経過しているわけです。
再三の注意でも返事がすぐできないことに苛立った上司。
何回言えばわかるんだ・・・という気持ちは痛いほど理解できますよね。

ところが翌日からその新人は上司に対して威圧的。反抗しているわけです。
一週間後には「会社を辞めたい」と言ってきたそうです。

自分の注意の仕方がきっかけになってしまったのではないかと思い、他にも言い方はあったのではないかと悩まれたと聞きました。

でも、そうなのでしょうか?
注意をされて反抗心をむき出しにして辞めたいと言ったのでしょうか。
その新人にはきっとそれがきっかけになっただけに過ぎません。

注意を再三されてできない=組織に向いていない
普通は注意をされれば次からは気をつけるものですよね。
できないことは人間ですからたくさんありますが
会社に属しているからには社会のルールが守れることが前提です。

返事ひとつができないようでは、この会社を辞めてどこへ勤務しても同じことを繰り返すか自分が希望する仕事にはなかなか就けないでしょう。

教育という視点で言えば確かに「返事をするようにさせる」のは大事です。

でも、会社における「教育」とは会社のことを理解させ、仕事を覚えていくための教育と社会人の基礎力となるビジネスマナーや知っておかなければならない社会人のルールのふたつに大きく分けることができます。

では「返事をする」はどちら?
もちろん基礎力ですよね!!しかも社会人でなくてもできなくてはならない部分です。
反抗期の中学生や返事をするのが気恥ずかしい高校生ではなく相手は社会人なのですから。できて当然のことを教えるのです。

注意をして改善できる子が大半です。多くはすぐにできるようになります。

しかし一部はできない子もいるのです。

遠慮をしてビクビクしながら注意をすることはありません。
しっかりとなぜ返事が必要か、厳しく指導していいのです。
それで今回のように自分の言い方のせいで・・・と悩むのであれば、その時間は勿体ないですよね。

注意をされて反抗し、辞めたいと言う子には毅然とした態度で接しても何ら問題はないのです。いずれにしても何か他の理由で辞めていくでしょう。

いきなり怒鳴るなどではなく、しっかりと何度も注意をしてきたこと。
おどおどしながら注意をするより厳しさと愛情をしっかりと持って教育していくことが大切です。

また注意する側の人を変えて話してみたり
返事がしっかりできていたタイミングでほめるなども必要です。

抱え込み、何度言ったらわかるんだ。なんでもうこんな意味不明な新人なんだとイライラしたり悩んだりせず周りを巻き込んで注意をしてもらう、ほめてもらうなどをすることで教育担当も教育される側もストレスが軽減されます。