「悲劇のヒロインになってしまっている時」 | ◆根本裕幸

◆根本裕幸

恋愛や結婚、性などのパートナーシップ・家族に関する問題からビジネス、対人関係、健康・病気・死など幅広いジャンルを扱う。感情・感覚をフルに使った“目からウロコ”な心理分析や、じんわりと心に響くハートフルな癒しには定評がある。

*「こんなとき、どうしたらいいの?」にお答えする心の処方箋シリーズ*

ショックなできごとがあったり、自分がひどく苦しくて周りが見えなかったりすると、私達は「悲劇のヒロイン」になってしまいます。
(ヒロインではなく、ヒーローであることも少なくありません)

ネガティブなストーリーを仕立て、被害者になり、誰かを加害者にする。そして、自分が世界でもっとも不幸であるかのように感じてしまう。時には誰かれ構わず、それを話し、同意、共感を得ようとします。もし、同意してもらえなければ、さらに被害者ストーリーは膨み、ますます悲劇のヒロイン性を高めてしまいます。分かっていても、これは癖になるとなかなかやめられません。自分ではその自覚がなくても、この物語はけっこう自己陶酔ができるんです。そして、何より、悲劇のヒロインは、ヒロインであるが故に、何もしなくて良いのです。現況を嘆いていれば、不幸を呪っていれば、誰かが助けてくれるはず・・・という淡い期待があったりします。あるいは、その状況を用いて、誰かに復讐を企てているのです。「あたしがこうなったのはあなたのせいよ」と。だから、この点では、悲劇のヒロインを手放すことは強い抵抗を感じるのです。どう生きていけばいいのか、これからどう過ごせばいいのか、皆目検討がつかないから。このパターンは私達の心の“依存心”のシンボルだからです。だから、ここを抜け出すためには“自立”が求められます。悲劇を喜劇に変えるだけのシナリオ力をつける必要があります。実は悲劇の多くは、喜劇に置き換えられます。多くの芸人がネタにするのは、自分自身の悲惨な過去や現在だったりしますよね?もし、あなたが悲劇のヒロインにはまってしまったと気付いたら、こう考え直してみてください。このストーリーをどうしたら、喜劇に書き換えられるだろうか?勇気は必要ですが、白馬に乗った王子様をただ待つよりも、ずっと効果的なアプローチです。
心の処方箋