優しさでできたマスク 化学物質過敏症に対応 | 化学物質過敏症 runのブログ

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優しさでできたマスク 化学物質過敏症に対応
2020年10月11日 05時00分 (10月11日 12時02分更新)
化学物質過敏症の人に向けたマスクを手にする横山さん(右)と後藤さん=福井市桃園2の横山工藝で


福井の「横山工藝」が開発

 化学物質過敏症の人でも使いやすいオーガニックコットンのマスクを福井市桃園二の繊維会社「横山工藝」が開発し、人気を集めている。

この病気を患う取締役の横山奈保子さん(48)が、生地やミシンのにおいで体調が悪くならないか、自ら確かめながら完成させた一品。

「化学物質過敏症も含めた全ての人が暮らしやすい環境につなげたい」と話す。 (籔下千晶)
 化学物質過敏症は、香りや肌に触れた素材に付着している化学物質によって体調を崩す病気。

横山さんは二〇〇九(平成二十一)年に発症した。

柔軟剤の香料や衣服の繊維に体が反応して、吐き気やかゆみの症状が出る。

会社に来た客の服のにおいで気分が悪くなったり、ポリウレタン素材の服が着られなくなったりするなど、日常生活もままならなかった。

同じ病気の人も安心して使える商品を作ろうと考え、衣料品ブランド「wacca(ワッカ)」を昨年立ち上げた。
 症状を引き起こす原因物質は、人それぞれ異なる。

マスクを使う人の体調が悪くならないよう、横山さんは「wacca」専用の縫製工場を横山工藝の中に作った。

工場の断熱材や壁紙、ミシンのにおいをかいで症状が出ないかをチェック。

縫製担当の従業員は、香料が入っていないせっけん洗剤で洗濯した服を身に着け作業する。
 工場が完成した三月、新型コロナウイルスの感染が広がり始め、横山さんが愛用していた市販のオーガニックコットンのマスクが売り切れた。

そこで急きょ「wacca」の第一号商品として、マスクを作ることに。

無農薬、無化学肥料の綿から作られた肌触りの良い生地を使い、新品の生地に付いているのりは洗剤ではなく水洗いで落とす。

生地を四層にして、少しでも香料などの吸い込みを防げるよう工夫した。

五月に販売が始まると、六月には一時的に品切れになるほど人気を集めた。
 ブランド名「wacca」は、らせんをイメージし、多くの人の意見を取り入れて商品を改善していく意思を表現した。今後は染色工場も作り、スカートやTシャツ製造にも乗り出す予定だ。

ブランドデザインに関わる福井市のデザイナー後藤裕美子さん(47)は「横山さんの計画を実現するため協力する」と話す。

横山さんは「同じ病気の人に役立てるよう事業を続けたい」と意気込んだ。

マスクは「wacca」のオンラインショップで販売中。