2:広がるマイクロカプセルの用途 ―もうひとつのマイクロプラスチック汚染問題 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・柔軟剤・香料の
マイクロカプセル
 近年、柔軟剤のニオイによる健康被害を訴える人が激増しています。
最近では柔軟剤にも香料入りのマイクロカプセルが使用されています。
香料の健康被害もそうですが、壁材のプラスチック微粒子が環境中に飛び散る危険性は、はじめから考慮されていません。


 図表2に示したように、マイクロカプセルの壁材には多様なプラスチッ
クが使用されており、香料については多くの企業がメラミン樹脂を使用しています。

一方、富士フイルムは、HP 上の「富士フイルムの香料マイクロカプセルの特徴」において、同社はウレタン素材のマイクロカプセルを40年以上にわたって研究開発・大量生産しており、香料マイクロカプセルの壁材には人や環境に配慮してホルムアルデヒドフリーのウレタン素材を用いている。

また、特に分解あるいは揮散しやすい香料についてはメラミン樹脂を使用しているとしています。したがって、出回っている生活用品中の香料カプセルの素材は、ウレタン製だけでなくメラミン樹脂もあることが明らかになりました。

柔軟剤に含まれるアロマカプセルがはじけた時に、空気中に飛び散る危険性があるのは、ウレタンの原料である有毒物質「イソシアネートモノマー」だけではないのです。
 香料カプセルが環境中ではじけて中身が飛び散る仕組み、それは開発者にとっては新しい技術進歩の賜物かもしれませんが、カプセルの壁材である合成樹脂から、毒性物質が飛び散る可能性は、まったく想定外のことのようです。

 

農薬のマイクロカプセル化
さらに、肥料や殺虫剤、殺鼠剤など、農薬のマイクロカプセル化も進んでいます。世界のマイクロカプセル化農薬市場規模は、2017年からの5年間で約1.5倍にも増えると予測されています。

農薬業界は農薬製剤のマイクロカプセル化は、環境・人間に対する毒性リスクを減らすためであるとしていますが、本当にそうなのでしょうか。
2008年、島根県の出雲で農薬空中散布による1000人以上の人の健康被害者が報告されましたが、この時使用されていたのは有機リン系農薬 の「スミパイン MC」(成 分:フェニトロチオン)でした。

このマイクロカプセルはウレタン製でしたが、当時は農薬の空中散布が健康被害の原因である可能性は否定できないとされたものの、このマイクロカプセルとの関係は問題にもされませんでした。
 農業用の肥料もマイクロカプセルに入っており、それらが流れ出すことで河川や海のマイクロプラスチック汚染をさらに深刻にさせています。

マイクロカプセルの多様な用途と利用については、プラスチックごみ問題のひとつとして、安全性と環境への影響の再検証が必要ではないでしょうか。