4:プラスチック汚染の危機にどう対処するか | 化学物質過敏症 runのブログ

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そこで、プラスチックという素材に私たちはどう向き合えばよいのかについて考えてみたいと思います。
 プラスチックは可塑性に富む、軽量で透明、着色しやすい、振動・音を吸収する、衝撃を緩和する、柔軟性がある、熱を伝えにくい、電気絶縁性がある、水に強い、酸・アルカリに耐えるものが多い、液体は通さず気体は透過させるものが多い、価格が安いなど数々の利点があるといわれています。

こうした利便性により、プラスチックは発明後わずか100年間で私たちの生活のすみずみまで浸透するようになっています。

特に、容器・包装分野での普及は目覚ましく、食品貯蔵寿命の延長や重量軽減により輸送燃料の削減に寄与したなどと評価されています。
 しかし、このような長所は実は短所でもあるのです。

「軽くて安価」という利点は、裏を返せば「ごみとして捨てられやすい」という欠点でもあり、「水、酸・アルカリに強い」という耐久性の利点と相俟って、今日の海洋プラスチック汚染を引き起こしているといえます。.

また、「可塑性に富む」という利点を生み出すために、プラスチックには可塑剤などの添加剤が多用されており、それらの中にはノニルフェノール、フタル酸化合物、臭素化ジフェニルエーテルなどの有害化学物質もあり、プラスチック製品の使用に伴う人・生態系への影響が懸念されています。
 

プラスチックの問題点
 ここで、プラスチックの問題点を整理してみましょう。第一に、既述のようにプラスチックは環境中で微細化してマイクロプラスチックになって長期間環境中に残留するとともに、それがPCB などの有害化学物質を吸着して野生生物の体内に取り込まれ、やがて食物連鎖を介して生態系に影響を及ぼすおそれがあることです。

.高田秀重東京農工大教授によれば、このような有害物質が吸着したマイクロプラスチックは、生物に取り込まれた後、それ自体は排出されても、有害物質の一部は生物の脂肪や肝臓に蓄積することが野生の海鳥で確認されているそうです。
 第二に、既述のとおりプラスチック製品は材料に添加剤を加えて改質が施されており、添加剤には環境ホルモンなどの有害物質が使用されていることです。

添加剤は各プラスチック特有のものが多く、実際に使われているプラスチックには必ず何か添加されているといわれています。

当然のことながら、私たちはこれらのプラスチック製品の使用に伴って有害物質のばく露を受けるおそれがあります。

また、リサイクルの過程を通じて汚染物質が拡散されることになります。さらに、添加剤については企業秘密とされてその成分・毒性等が公開されていません。

このため、気付かない間に有害物質にばく露することもあります。
 第三に、そもそもプラスチックは石油を原料としていますので、脱炭素社会とは相容れない素材であるということです。