②児童生徒等及び保護者や地域関係者に、強い香りの着香製品の自粛をポスターやホームぺージで、啓発していますか。
いる いない
すべての学校でやっていない 17 自治体
小学校 14 校 小学校 35 校
中学校 10 校 中学校 26 校
小・中・私立中併せ 7 校
計 24 校 学校数計 68 校
「すべての学校でやっていない」自治体が17、やっている学校の数も小中併せ 22 校(5自治体)であり、啓発の取組みを今後進めていく必要性を再確認できた。
生活指導上、制汗スプレーや整髪料を使用禁止、あるいは香りのないものと決めているという記載が複数あったが(中学校と思われる)、風紀や指導上というあいまいな理由でなく、化学物質過敏症との関連や健康への有害成分という説明を行い啓発する必要性がある。
⇒呼びかけている場合 どのような内容を記載しているか教えてください。
主なもの
生徒は決まりとして整髪料や香水、制汗スプレーは禁止になっている/啓発のポスターを保健室前に掲示/学年だより等/保健便り/制汗スプレーは無香料のもの/香料臭に関わらず、学校環境衛生基準に基づき換気を行っている/保健だよりと校内掲示で化学物質過敏症の人への配慮について呼びかけている/朝礼や学年集会、学級活動などで必要に応じて注意喚起……など。
ポスターやホームページよりも保健だより・学年だよりといった配付物を挙げている自治体が複数あった。
各家庭に配布されることを考えると、活用したい媒体である。
香りのついたものはすべて学校に持ち込めないというルールを記述している学校もあり、化学物質過敏症としての説明が必要である。
特に制汗スプレーの禁止や無香料のものという記述が多いが、衣類に残留するマイクロカプセルや香料の成分という説明がなければ、逆に消臭スプレーの使用が広まり化学物質自体は減らない、ということにもなりかねない。
保健だよりでの説明、ポスター掲示による日頃からの啓発・周知、機会あるたびに教員からの話をする、という重層的な呼びかけをしたい。
③ 教室内に香料臭が充満することのないよう、空気質に配慮し季節を問わず換気の励行を呼びかけていますか。
いる いない
すべての学校でやっていない 2自治体
把握していない 1 自治体
小学校 307 校 小学校 12 校
中学校 145 校
(香料以外の理由 1 校)(感染症予防のため 3 校)
中学校 9 校
小・中・私立中併せ 1 校
計 453 校 学校数計 21 校
すべての学校でやっていないと答えた自治体は 3 自治体(把握していないを含め)のみであり、換気の励行は広く行われていることがうかがえる。
ただし、換気は香りのためではないというコメントも複数あり、コメントしていない学校も同様のケースがあると考えられることから、さらなる働きかけが求められる。
香り以外の理由としては二酸化炭素濃度・温度の上昇を抑える、感染症予防などの理由が挙げられており、ほとんどの学校で学校環境衛生基準※に基づいて喚起を行っていると思われる。
調布市には「シックハウス防止に関する学校チェックリスト」があり芳香剤、消臭剤は禁止になっている、という報告があった。
調布市では市立小学校の校舎新築時のシックハウス症候群発生の問題を機に、2003 年に「調布市立学校における室内化学物質対応マニュアル」※を策定している。
マニュアルには、化学物質として整髪料や化粧品などが配慮事項として書かれており、化学物質過敏症の問題が明記されている。
子どもたちの健康を守るために、香料による化学物質過敏症を自治体レベルでの学校保健対策に乗せていくことが有効だ。
※学校環境衛生管理マニュアル 「学校環境衛生基準」の理論と実践[平成 30 年度改訂版]
https://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/hoken/1292482.htm
※調布市立学校における室内化学物質対応マニュアル
https://www.city.chofu.tokyo.jp/www/contents/1176118909741/index.html