4-第1回 においの特徴と悪臭公害の現状-シリーズ「悪臭に関わる苦情への対応」 | 化学物質過敏症 runのブログ

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3. 悪臭公害の実態
前節では、悪臭問題の基本である「におい」の特徴について記載したが、ここでは悪臭の被害の実態について記載したい。

悪臭の被害の実態は毎年環境省4)によりまとめられている。
悪臭苦情の内容が全国レベルで取りまとめられ、公表されている国は比較的少なく、韓国で一部出されているが、世界でもほとんど公表されていない。
3-1 悪臭苦情件数の推移
悪臭公害は、大気汚染、水質汚濁、騒音などと並んで、重要な環境問題となっている。悪臭問題は、近隣で悪臭の影響を受けている住民、悪臭の発生源となっている事業者、苦情処
理を担当する地方自治体の職員にとっては、悩みの多い重要な問題である。
図-4に悪臭による苦情件数の経年的な推移を示した。


図-4 悪臭苦情件数の推移
悪臭苦情件数は 1972 年度に年間 20,000 件を超えたが、1971 年の悪臭防止法の制定により
悪臭苦情件数も 1993 年頃までは徐々に減少してきた。

この期間、悪臭苦情件数が減少してき
た理由は、悪臭を発生させてきた事業所が悪臭低減に努力してきたこと、また事業所を指導してきた地方自治体の担当者の努力も見逃せない。
しかし、図-4からもわかるとおり、1997 年度頃から悪臭苦情件数は増加傾向を示し始める。

この主な原因は、野焼きなど焼却関係を原因とする悪臭苦情が急激に増加したことによる。焼却に伴うダイオキシン類の発生を特に周辺住民が心配したためと思う。

2004 年度以降、ダイオキシン問題は多少冷めた感があるが、それでも 10,000 件をかなり超える悪臭苦情件数がある。

2013 年度、国内での悪臭苦情の合計は 13,792 件であった3)。