2:新シックハウス症候群に関する相談と対策マニュアル | 化学物質過敏症 runのブログ

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2.衛生的で快適な室内空間とは?
現代社会で人々は 1 日のうちの 70% 以上の時間を室内で過ごす。

従って生活環境の中で,水,食と並んで空気質は重要な環境要因で,呼吸によって取り込まれる室内空気質は私たちの健康や生活の質に大きな影響をあたえる。

室内環境は自宅,職場,学校,病院や介護・保育施設,公共あるいは民間の建物など多岐にわたる。

吉野は建築学からみた衛生的で快適な室内空間について,以下のように述べている(相談マニュアル(改訂新版)pp 20–23)。
住宅では高齢者や幼児が特に長い時間を室内で過ごす。

学校では,児童,生徒らが勉学などのために,またオフィスではワーカーが仕事をするために長い時間を室内で過ごす。

そのような室内の環境は,少なくとも衛生的で快適であり,学校では授業に集中できるように,オフィスでは効率が上がるように作られているべきである。

室内の環境は,物理的な観点からは,熱,湿気,空気,光,音の環境に分類され,それらの環境条件が,人の生理的,心理的な快適性,健康性に大きな影響を及ぼす。

その影響の度合いや最適範囲は在室者側の条件,即ち年齢,性別,健康状態,社会的な背景などによっても大きく異なる。

更に,行為の内容,即ち机に座って仕事をしているのか,動きながら仕事をしているのか,団らんしている時か,寝ている時かなどによっても異なる。
衛生的で快適な環境条件に関する研究については多くの蓄積があり,その成果に基づいて建築物や設備の設計,建設,運用が行われてきている。

しかしながら,例えばシックハウスという疾病概念が出てきたように,近年の建築物は必ずしも衛生的で快適な環境が実現されているわけではない。

また,住宅の中での不慮の事故死として,高齢者では浴槽の中での溺死が数として多いことが報告されている。

一方では,近年の地球温暖化のために,日本では蒸し暑い夏に室内にいながら熱中症にかかるケースが増加している。

更に集合住宅で生活している人たちは上の階や隣に住戸から様々な生活に伴う音で悩まされる,或いは太陽の光が隣の建物のガラスなどに反射してまぶしいなど様々な問題が存在する。以上のように室内環境については多くの課題がみられる。
 

3.我が国におけるシックビルディング・シックハウス症候群の歴史
室内空気質と健康の問題は欧米では 1970 年代,第 1次オイルショックのころから,冷暖房効率の向上にむけた省エネルギー化に伴い気密性が高まり,室内空気環境問題として,「シックビルディング症候群(Sick BuildingSyndrome)」と名付けられて問題となった。

一方,日本では,1960 年代に不適切な温度調節や浮遊粉じんの増加など室内環境の衛生に対する配慮不足から建築物の維持管理に起因する健康障害が多く報告された。

そこで,1970 年,議員立法により建築物における衛生的環境の確保に関する法律,いわゆる「ビル管理法」が制定され,一定面積以上の建築物では室内粉塵などの測定,室内の機械換気による制御が適切に行われたため,オフィスビルのシックビルディング症候群の発生頻度は少なく,ほとんど問題にならなかった。
しかし日本でも 1990 年代から個人住宅において省エネルギー化に向け換気量の削減や,住宅の高気密化や高断熱化が進み,シックビルディング症状と同じような状態が報告されるようになり,「シックハウス症候群,Sick House Syndrome」として全国的に大きな社会問題となった。

当時,住宅には機械換気の設備はほとんどなく,建築資材に合板やプラスチック系の建材使用が進み,汚染物質発生量が増大してきたのがシックハウス症候群の原因と考えられた。

なお,シックハウス症候群は和製英語で欧米ではシックビルディング症候群と一括して呼称されている(最近は専門誌,Indoor Air などで,独立した detached (一般戸建て住宅)に発生したシックビルディング症候群をシックハウス症候群として定義して呼ぶこともある)。

 

runより:いつもの事ですがなるべく長文を避けながらパートの区切りを決めています。

なのでやたら長い、短い時がありますがいつもの事と思ってくださいね((。´・ω・)。´_ _))ペコ