3:いのち環境ネットワーク:電磁波・化学物質過敏症対策 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・日本でも電磁波過敏症の研究が
2005年、厚生労働省の助成を受けて化学物質過敏症の病態や診断、治療に関する研究が行われました。

この中では、電磁波過敏症の問題も扱われ、北里研究所病院臨床環境医学センターを受診した患者7人の症例や海外の研究について触れています。

なお、この報告書は、厚生労働省のホームページからダウンロードできます。
http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIST00.doで文献番号200501212A『微量化学物質によるシックハウス症候群の病態解明、診断、治療対策に関する研究』)。
 この報告書で紹介された症例を見ると、症状が現われる原因になる電磁波発生源は、パソコン、携帯電話機や基地局、地上デジタル放送、家電製品とさまざまですが、一度電磁波に敏感になると、反応する対象が増えていくことが伺えます。

また、電磁波過敏症と診断された患者7名のうち2名は化学物質過敏症も併発していました。
 患者は、電磁波をできるだけ避けるよう指示されています。

また、電磁波被曝によって酸化ストレスが高まり、カルシウムの代謝異常が起きるとも言われているので、患者は電磁波発生源から離れること、ビタミンC、カロチノイド、フラボノイド、亜鉛、セレンなどの抗酸化物質を摂ること、カルシウムやマグネシウムなどを摂取することなども勧められています。
 報告書では、「今回紹介した例は北里研究所病院臨床環境医学センターを受診したほんの一部の患者にすぎない」「携帯電話を人口の約半数以上が所持する時代になりつつある日本で電磁波の障害はないと言い切るデータは我々医学者および工学者は持っていない。

今後謙虚にこれらの問題を直視し、病態解明、診断、治療に立ち向かう必要がある」と述べられています。
 この報告書では、国際セミナーの内容や海外の疫学調査の結果、治療方法についても触れています。

WHOは2004年に、電磁波被曝と健康への影響をテーマに、チェコで会議を開いています。

WHOの会議で、「電磁波過敏症を支持する人々は、ある政府の発表者が電磁波過敏症を精神病である可能性について述べた発表には悲しい反応を示した。しかし、そのような発表は今回の主題とはならなかった」。
 「昔から、診断が困難な病気は、すべて精神病という大箱に放り込まれてきた。
患者達は、研究が発展するまでの間は、誤診と自分の健康管理のために戦ってきた既往を持つ。最初このような憂き目を味わった疾病には、多発性硬化症、慢性疲労症候群、繊維筋痛症、多種類化学物質過敏症、光過敏症、聴覚過敏症などがある。もちろん、適切な研究や診断、治療の発展を阻害する業界からの経済的圧迫もある」と述べ、WHOの事務局長だったブルントラント博士も電磁波過敏症を発症し、引退したことを紹介しています。
 

 『電磁波と生体:文献的考察』の「治療など」という項目から、治療に関する記述を下記に紹介します。
 「代替医療治療者は電磁波過敏症に気づいていることが多く、助けになることも多いかもしれない。鍼、気功、指圧治療などエネルギーの感覚的転移を利用している。しかし、患者にとって適切でないこともある」そうです。
 また、「ベジタリアン食がある程度の健康回復に役立つ場合がある」とあります。「マクロビオティック食は体をアルカリ性にし、肉や砂糖は一般に酸性にする。ある種の食物を除去すると、電磁波症状が改善することがある。例を挙げると、ミルクやグルテンなどでる。唐辛子、カラシ、胡椒のような香辛料は、炎症状態に戻るために、避けることが望ましいかもしれない。農薬のない有機栽培食物も購入できればさらに望ましいかもしれない」。
 

化学物質や電磁波、精神的ストレスが、その人の許容量を超えて溢れ出すと、症状が現われるという考え方があります。

これは、雨の中におかれた雨樽に例えられます。

樽が身体で、雨が環境汚染物質や精神的、生物学的ストレスです。

「樽の中の水」を調べるために、「既往歴、家族歴、最近の医学的治療状況、作業内容などからの環境暴露歴、最近の環境分析、そして食事や食物を確認することも必要となる」。
 適切な治療によって樽の中の雨水が減って、ある程度空になると、暴露に耐えやすくなり、「解毒、食事変換、病状の治療、環境汚染の排除などにより、以前には耐えられなかったような暴露に耐える力が増すこと」を期待するそうです。
 環境医学ではサウナを解毒法として利用し、代替医療では酵素(プロテアーゼ、リパーゼなど)やハーブ療法を取り入れているそうです。

ただし、「酵素は一般にカビから作られるために、多種化学物質過敏症やカビに反応する人には不適当」だといいます。
「スウェーデンのヨハンソン博士は、βカロチン/ビタミンAが電磁波過敏症の日光過敏性症状に有効である」と述べており、「βカロチンは日光過敏性の治療薬として記載されてい」ます。ちなみに、βカロチンは、パセリやにんじんに多く含まれています。
 また「メラトニンは電磁波過敏症の一部で有効と言われ報告されているが、電磁波過敏症患者に広く用いられて効果があるかどうかは不明だ」「メラトニン投与は電磁波過敏症の痛みにある程度有効性が示されている。ここに述べた方法は一人の人に良い物が、他の人には害になる可能性もある」。
 電磁波過敏症の治療方法はまだ確立していませんが、食生活の改善や、サウナで汗をながすことなどは、自分でも試すことができます。

できる範囲で、自分の体調を見ながら、少しずつ試していってはどうでしょう。

なお、メラトニンのサプリメントを長期間服用するのは問題があると考えている医師もいます。

メラトニンを増やすには、大豆や鮭などを積極的に摂りましょう。

関連書籍

『電磁波・化学物質過敏症対策』(緑風出版)
http://books.rakuten.co.jp/rb/12258113/

『電磁波過敏症を治すには』(緑風出版)
http://books.rakuten.co.jp/rb/12258113/
『電磁波による健康被害』(緑風出版)
http://books.rakuten.co.jp/rb/6250206/
『電磁波から家族を守る』(建築ジャーナル)
http://books.rakuten.co.jp/rb/11207584/
『危ないオール電化住宅』(緑風出版)