3:輸入農産物中の残留農薬実態調査(野菜・その他) - 平成24年度 | 化学物質過敏症 runのブログ

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2. きのこ類の残留農薬
きのこ類は,しいたけの1種6作物について調査した結果,残留農薬は検出されなかった.
3. 穀類の残留農薬
穀類8種15作物について調査した結果をTable 4に示した.
4種4作物(27%)から殺虫剤のピリミホスメチルと殺菌剤のイソプロチオラン,合わせて2種類が0.01~0.48 ppm検出された.
イソプロチオランは,1968年に日本農薬株式会社により開発されたジチオラン環を有する殺菌剤であり,稲いもち病菌を始め,小球菌核病菌,小黒菌核病菌,褐色葉枯病菌及び白紋羽病菌に対して強い菌糸生育阻害作用を有する.
いもち病菌に対して,生活環のあらゆるステージに強く作用するが,特に付着器からの侵入過程を強く阻害する.我が国では1974 年に初回農薬登録されている15).

中国産の黒米や吉林米から我々の調査では今回初めて検出され,中国においてイソプロチオランが使用されている可能性が示唆された.

今回の検出事例を踏まえ,今後も引き続き調査を行っていく必要がある.
4. 豆類の残留農薬
豆類は,えんどう豆と緑豆及びパンダ豆の3種3作物について調査した結果,残留農薬は検出されなかった.
農薬の使用状況は,気候及び病害虫の発生状況,昆虫の殺虫剤に対する抵抗性への配慮等により変化し,それに伴い残留農薬の検出状況が影響されていくものと考えられる.
検出状況は今後も変わり続けることが予想されるため,次年度以降も継続的な調査を行うことで経過を観察し,さらに農産物の残留農薬の実態を的確に把握するため,検査対象農薬を拡充して検査態勢を強化していきたい.
まとめ
平成24年4月から平成25年3月に東京都内に流通していた輸入農産物の野菜,きのこ,穀類及び豆類,45種167作物について残留実態調査を行った.
その結果,20種52作物(検出率31%)からアセタミプリド,ビフェントリン,ブプロフェジン等の殺虫剤及びアゾキシストロビン,ボスカリド,キャプタン等の殺菌剤を合わせて41種類の農薬(有機リン系農薬3種類,有機塩素系農薬7種類,カルバメート系農薬2種類,ピレスロイド系農薬5種類,含窒素系及びその他の農薬24種類)が,痕跡(0.01 ppm未満)~0.48 ppm検出された.
このうちジフェノコナゾールが,ベルギー産西洋わさびから0.04 ppm,また,中国産未成熟えんどうから0.02 ppm検出された.

これらはいずれも当該作物に残留基準値が設定されていないため食品衛生法による一律基準違反となった.

日常的な摂取量に換算すると,これらの残留量はジフェノコナゾールに設定された通常の喫食においてヒトの健康へ影響を及ぼすものではないとされる一日摂取許容量(ADI)の,それぞれ1/260と1/680程度であった.
本調査は東京都福祉保健局健康安全部食品監視課,当センター広域監視部食品監視第一課及び第二課と協力して行ったものである.