難燃剤による汚染 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典:東京都健康安全研究センター
http://www.tokyo-eiken.go.jp/archive/issue/kenkyunenpo/nenpo64/
研究年報 第64号(2013)

・難燃剤による汚染
 難燃剤はプラスチックや合成ゴム、繊維、紙などの素材を燃えにくくするための添加剤です。難燃剤を化学物質の組成により分類すると、臭素系、リン系、塩素系、無機系に分かれます。このうち、最も需要が多いのは無機系(約7万t)、次いで臭素系(約6万t)、リン系(約3万t)の順です。リン系の難燃剤については、化学物質過敏症との関連が疑われており、リン酸トリフェニル1)のように接触性アレルギーの原因となる物質や、リン酸トリス(2-クロロエチル)2)のように発ガン性を有するものも含まれています。そこで、健康安全研究センター(当時の都立衛生研究所)では、2000年7月〜2001年3月に、東京都内の住宅(44軒、88室)、オフィスビル(22棟、44室)および外気(34ヵ所)で、空気中のリン系難燃剤濃度を調査しました3,4)。

 下記に、実態調査結果の概要を示します。 

 

11種類のリン系難燃剤を分析したところ、室内空気中からは10種類、外気からは7種類の物質が検出された。
これらのうち、濃度が高かったのは住宅ではリン酸トリブチル、オフィスビルではリン酸トリス(2-クロロイソプロピル)だった。
室内濃度と外気濃度とを比較すると、外気よりも室内の方が濃度が高い傾向がみられた。
住宅とオフィスビルの室内濃度を比較すると、住宅よりもオフィスビルの方が濃度が高い傾向がみられた。
室内濃度は室温と相関があり、室温が高くなるに従って、濃度も高くなる傾向がみられた。
 
表1.室内空気及び外気中のリン系難燃剤濃度 単位:ng/m3


図1.室内空気中リン系難燃剤濃度と室温との関係


TBP:リン酸トリブチル、TCIPP:リン酸トリス(2-クロロイソプロピル)