・出典:ケミカルデイズ
http://www16.plala.or.jp/chemicaldays/index.html
・蚊取り
蚊に刺されない代わりに農薬まみれ
ニッポンの夏といえば蚊取り線香ですが、意外に歴史は長くありません。
江戸時代には、ミカンやヨモギをいぶした煙で蚊を追い払う「蚊やり」が使われていました。
明治時代になって、除虫菊が使われるようになりました。
戦後、除虫菊の成分であるピレトリンと同じ効果をもつ合成ピレスロイドが開発され、それが蚊取り線香の原料として置き換えられました。
用途別に多種のピレスロイド系物質が開発され、蚊用だけでなく、農薬としてもさまざまに使われています。
蚊取り製品には次のような種類があります。
【蚊取り線香】
ピレスロイドと増量剤(木紛)、粘結剤(でんぷん)、香料などを混ぜて練ったものを板状にし、型抜きをし、乾燥させて製造されます。
【電気蚊取りマット加熱式】
鉄板を熱してマットに染み込ませた成分を揮発させる方法で、火を使わず、煙が出ないのが特徴で、1980年に蚊取り線香の販売数を追い抜きました。
【電気蚊取りリキッド(液体)加熱式】
ボトルの芯をヒーターで温めて液体の薬剤を揮発させる方式です。
さらに最近、次のような新製品がよく売れています。
メトフルトリン、トランスフルトリンのような常温でも揮発する物質が開発されたためです。
【電気蚊取りモーター式】
電池で動く無煙、カートリッジ式で、火も電源コードもいらないため、屋外や携帯形など使用箇所が大きく広がりました。
モーターでファンをまわして拡散させるための電源として電池内蔵となっています。
【スプレー式】
一日に1回ないし数回スプレーするだけで、部屋全体が蚊をよせつけない空間になるというもので、長時間室内空気中に留まるよう工夫されています。
ファン式蚊取り、スプレー式蚊取りと並んで、「設置型虫除け剤」というものが、急激に売り上げを伸ばしています。
これらは、ユスリカ、チョウバエなど不快害虫が対象とされていますが、上記の蚊を対象としたものと中身はほとんど同じものです。
これは、部屋も人も殺虫剤バリアーで覆われるといことで、人のいる空間に絶えず殺虫剤が充満している状態になりつつあります。
ピレスロイドは分解が早くて、ヒトへの毒性が低いとして多用されてきました。
米国の調査では、室内の汚染率がひじょうに高いという報告がされています。
最近の研究では、神経系発達への影響、ホルモンかく乱、がんの誘発、及び免疫系の低下をもたらすかもしれない等の毒性があることがわかってきていて、あまりにも安易に多用している現状は変えるべきです。
“蚊よけ対策”については、昔の除虫菊を使った蚊取り線香がベターですし、網戸をきちんと閉めれば十分、使いやすい蚊帳も売られています。
runより:昔の除虫菊を使った蚊取り線香すら私はダメなのでヨモギでいぶすのがいいかなぁ・・・